安全唱和の例文|掛け声と応答・作業別・指差呼称
目次
安全唱和の例文を、朝礼の締め・作業開始前・KYの締め・安全大会で、そのまま声に出して使える形で並べたページです。リーダーの掛け声と全員の応答をセットにしてあるので、当番の日に写して読み上げるだけで唱和が回ります。
並べ方は短い順です。最初に5秒で終わる一言の唱和、次に掛け声と応答の形、作業別(高所・重機・電気・玉掛け)、季節(熱中症・凍結)、最後に指差呼称(対象・確認・ヨシ)の言い方と安全大会で読む長めの唱和を置きました。どの例文も、囲みの右上のボタンでコピーできます。
安全唱和の例文は「短く・全員で・最後にヨシ」で作る
安全唱和は、全員が同じ言葉を同じタイミングで声に出すことで、気持ちを作業に切り替える合図です。長い文は覚えられず、声もそろいません。現場で長く続いている唱和は、ほとんどが1回で言い切れる長さです。
作り方の型は3つに分かれます。
| 型 | 形 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 一言型 | 全員で1文を言い切る | 朝礼の最後・作業開始前 |
| 掛け合い型 | リーダーが言い、全員が返す | KYの締め・班ごとの唱和 |
| 指差し型 | 対象を指して、確認して、ヨシ | 作業前の点検・持ち場の確認 |
「ゼロ災でいこう ヨシ!」のような言い方は、中央労働災害防止協会(中災防)が進めてきたゼロ災運動(ゼロ災害全員参加運動)の中で広まった言い方として知られています。厚生労働省の資料でも、全員で手を重ねて唱和する「タッチ・アンド・コール」が、作業前やKYの締めくくりに行うものとして紹介されています。この記事の例文は、その形を借りて、現場ごとに中身を入れ替えられるように作ったものです。
安全唱和の例文【一言型と掛け合い型】
一言型の安全唱和(5秒で終わる)
いちばん短い唱和です。朝礼の最後に全員で1回言えば終わります。リーダーが「では唱和します。せーの」と合図を出し、全員で声をそろえます。
「ご安全に」は、製造業や建設業の一部で挨拶と唱和を兼ねて使われている言葉です。現場によっては使わないところもあるので、元請や自社の慣れた言い方に合わせてください。
この3つは、言葉を少し変えるだけで毎日使えます。「帰ろう」を「家族のもとへ帰ろう」に変える現場もあります。大事なのは、全員が最後の「ヨシ」で声をそろえることです。ここがそろうと、朝礼の空気がはっきり締まります。
休み明けは、体も頭も現場の感覚に戻りきっていません。唱和に「確認を一つ多く」と入れておくと、その日の注意点が一言で伝わります。
掛け合い型の安全唱和(リーダーと全員)
リーダーが短く問いかけ、全員が答える形です。安全コールとも呼ばれます。全員が同じ文を覚える必要がなく、リーダーの言葉に合わせて返すだけなので、新しく入った人もすぐに参加できます。
全員:ヨシ!
リーダー:保護具の着用ヨシか!
全員:ヨシ!
リーダー:今日も一日、ご安全に!
全員:ご安全に!
全員:手すりを外したら必ず戻す。ヨシ!
リーダー:今日もゼロ災でいこう。
全員:ゼロ災でいこう、ヨシ!
KY活動(危険予知活動。作業前に危ないところを話し合うこと)の最後に、その日の行動目標を全員で繰り返す形です。リーダーの1行目を、その日のKYで決めた行動目標に差し替えて使います。行動目標の決め方はKY活動の例文にまとめています。
リーダー:ゼロ災でいこう!
全員:ヨシ!
タッチ・アンド・コールは、班の全員で手を重ねたり、隣の人の肩に手を置いたりして行う唱和です。手が触れることで一体感が出やすいとされています。感染症が気になる時期は、手を重ねずに、輪になって指を中央に向ける形に変える現場もあります。
全員:ヨシ!
リーダー:けがなく帰ろう!
全員:ヨシ!
リーダー:決めたことは守ろう!
全員:ヨシ!
リーダー:今日も一日、ご安全に!
全員:ご安全に!
安全唱和の例文【作業別と季節】
その日の作業に合わせた唱和です。リーダーが作業の名前と重点を言い、全員で繰り返します。KYで出た「今日いちばん危ないこと」を1つだけ入れるのがコツです。
高所作業の安全唱和
全員:フックは常に一つ掛け。ヨシ!
全員:外した人が戻す。ヨシ!
リーダー:開口部には近づかない。
全員:開口部、近づかない。ヨシ!
足場の作業ごとの危険は足場のKY例文に並べています。唱和の1行目は、そこで出た行動目標をそのまま使えます。
重機・クレーン作業の安全唱和
全員:旋回範囲、立入禁止。ヨシ!
リーダー:誘導者の合図で動かす。
全員:合図で動かす。ヨシ!
全員:目を合わせてから近づく。ヨシ!
電気作業の安全唱和
全員:停電、検電、表示。ヨシ!
リーダー:ブレーカーには札をかけて鍵。
全員:札と鍵。ヨシ!
電気作業の唱和は、手順の言葉を並べると覚えやすくなります。言い方は自社の作業手順書に合わせて直してください。電気工事の場面別の例文は電気工事のKY例文にあります。
玉掛け作業の安全唱和
全員:吊り荷の下、入らない。ヨシ!
リーダー:地切りで止めて、確認してから巻く。
全員:地切りで止めて確認。ヨシ!
地切り(吊り荷を地面から少しだけ浮かせること)で一度止めて、荷の傾きやワイヤーの掛かり方を見る、という手順を唱和に入れた形です。
季節の安全唱和(熱中症・凍結・強風)
季節の唱和は、その時期だけ使う言葉を足したものです。いつもの唱和の前に1行足すだけで済みます。
全員:のどが渇く前に水と塩。ヨシ!
リーダー:具合が悪いときは、すぐに言う。
全員:すぐに言う。ヨシ!
熱中症の唱和は、「具合が悪いときは言う」を入れておくのが大事です。我慢して作業を続けることが、いちばん危ないためです。休憩や水分のとり方の具体的な決まりは、元請や自社の熱中症対策の決まりに合わせてください。
全員:凍結を見てから歩く。ヨシ!
リーダー:手すりを持って昇り降り。
全員:手すりを持つ。ヨシ!
全員:資材の固定。ヨシ!
リーダー:決めた風速になったら作業を止める。
全員:風が強まったら止める。ヨシ!
全員:確認を一つ多く。ヨシ!
リーダー:けがなく年を越そう。
全員:ご安全に!
指差呼称の言い方と例文【対象・確認・ヨシ】
指差呼称(ゆびさしこしょう)は、確認するものを指でさして、名前と状態を声に出し、最後に「ヨシ」と言う確認の仕方です。唱和が全員の声をそろえるのに対し、指差呼称は1人で、その場で行う確認です。厚生労働省の資料でも、全員でそろえる指差し唱和と、1人で行う指差呼称は、ねらいが違うものとして分けて説明されています。
言い方の型は、対象、状態、ヨシの3つです。
| 段階 | 体の動き | 声 |
|---|---|---|
| 対象 | 対象を見て、腕を伸ばして指さす | 「フック」 |
| 確認 | 指をさしたまま状態を確かめる | 「掛け」 |
| ヨシ | 腕を振り下ろす | 「ヨシ!」 |
腕の振り方や声の大きさは、現場ごとに教え方があります。自社や元請の教え方がある場合は、そちらに合わせてください。
指差呼称は、慣れてくると声が小さくなり、指の動きも省かれがちです。朝の唱和のあとに「今日は1人3回、指差呼称をする」と決めて、職長が見て回ると、形だけにならずに続きます。
安全唱和の例文【安全大会・長めの唱和】
安全大会や安全週間の行事では、少し長めの唱和を全員で読み上げることがあります。紙に書いて配るか、前に掲示して、全員で同じ文を読みます。リーダーが1行ずつ読み、全員が後を追って読む形にすると、声がそろいやすくなります。
一つ、私たちは、危ないと感じたら作業を止めて声をかけます。
一つ、私たちは、全員が無事に家へ帰ることを約束します。
今日もゼロ災でいこう、ヨシ!
全員:安全は、一人ひとりの確認から。
リーダー:声をかけ合い、けがをしない、させない。
全員:声をかけ合い、けがをしない、させない。
リーダー:今日も一日、ご安全に!
全員:ご安全に!
全員:同じ現場の仲間。ヨシ!
リーダー:気づいたことは、会社を問わず声をかける。
全員:会社を問わず声をかける。ヨシ!
安全大会の唱和に入れる言葉は、その年の安全目標とそろえておくと、一年を通して同じ言葉を繰り返せます。目標の文の作り方は安全目標の例文、宣言文は安全宣言の例文、掲示する短い言葉は安全スローガンの例文にあります。
安全唱和と安全朝礼のネタは、使う場面が違う
安全唱和と、朝礼で話す安全の話(いわゆる安全朝礼のネタ)は、どちらも朝礼で使いますが、役割が違います。
| 項目 | 安全唱和 | 安全朝礼のネタ |
|---|---|---|
| 話す人 | 全員で声をそろえる | 当番か職長が1人で話す |
| 長さ | 5秒から30秒 | 1分ほど |
| 中身 | 決まった言葉と行動目標 | その日の作業から1つ選んだ話 |
朝礼の流れでいえば、1分の話で今日の危ないことを伝え、最後に唱和で全員の声をそろえて締める、という順番になります。1分の話の組み立て方は安全朝礼のネタにまとめています。唱和だけで終わる朝礼もありますが、話のあとに唱和を置くと、話した内容が行動目標として残りやすくなります。
自分の現場の安全唱和に直すときのポイント
例文はそのまま使えますが、次の3つを直すと、自分の現場の言葉になります。
1つ目は、その日の重点を1つだけ入れることです。高所・重機・電気のように作業が並行する日は、全部を入れると長くなります。KYで「今日いちばん危ない」と決めたものを1つ選びます。
2つ目は、現場で使っている呼び名にそろえることです。「墜落制止用器具」と言う現場もあれば「フック」「安全帯」で通じる現場もあります。指差呼称の対象は、全員が同じ物を思い浮かべられる言葉にします。
3つ目は、最後の言葉を決めておくことです。「ヨシ」「ご安全に」「ゼロ災でいこう」のどれで締めるかを現場で1つに決めておくと、新しく入った人もすぐに合わせられます。
他社の社歌や、会社ごとに決めた唱和の文言をそのまま使うのは避け、自分の現場の言葉で作り直してください。
よくある質問
安全唱和と安全コールは違うものですか
ほぼ同じ意味で使われています。全員で同じ文を言う形を安全唱和、リーダーの掛け声に全員が答える形を安全コールと呼び分ける現場もあります。呼び方は現場の慣れた言い方で構いません。
「ご安全に」は、どの場面で使えばよいですか
朝礼の締めや、作業に向かう人を送り出すときの挨拶として使われています。現場によって使う・使わないが分かれるので、元請や自社の朝礼の流れに合わせてください。
指差呼称は声を出さないといけませんか
指差呼称は、指でさすことと声に出すことを組み合わせて確認の確かさを上げるやり方です。周りに人がいて大きな声が出しにくい場面でも、小さな声で対象と「ヨシ」を言うだけで、黙って見るより確認が確かになります。
唱和の文は毎日変えたほうがよいですか
締めの言葉は毎日同じでよく、1行目の重点だけをその日の作業に合わせて変えるのが続けやすい形です。全部を毎日変えると、声がそろわなくなります。
安全大会で読む唱和は、だれが作りますか
多くは安全担当や作業所長が案を作り、協力会社の代表と相談して決めます。その年の安全目標と言葉をそろえておくと、大会のあとも朝礼で同じ言葉を使えます。
まとめ
安全唱和の例文は、短く、全員で、最後にヨシの3つを守ると、どの現場でも使えます。
- 一言型は、朝礼の最後に5秒で終わる唱和
- 掛け合い型は、リーダーの掛け声に全員が答える安全コール
- 作業別・季節の唱和は、その日の重点を1行だけ差し替える
- 指差呼称は、対象・確認・ヨシの3段階で、1人で行う確認
- 安全大会の唱和は、その年の安全目標と言葉をそろえる
1分の安全の話で今日の危ないことを伝え、最後に唱和で声をそろえて締めると、朝礼で決めたことが作業まで残ります。