報告・記録の文例文2026.10.16 公開HK-03

ヒヤリハット報告書の例文|建設・工場の25例

目次

ヒヤリハットの例文を、建設現場と工場の25例にして並べたページです。どの例文も「いつ・どこで・何をしていて・どうなりかけた・なぜ・どうする」の6行で書いてあり、ヒヤリハット報告書の欄にそのまま写せます。

並べ方は、厚生労働省の労働災害の分類で使われている「事故の型」に合わせました。墜落・転落、転倒、飛来・落下、激突され、はさまれ・巻き込まれ、感電、といった型ごとに例文を置いています。報告書に事故の型の欄がある会社でも、欄の言葉と例文の見出しがそのまま対応します。最後に、ネタが出ないときの見つけ方を短い一言にまとめました。

この記事の様式は ヒヤリハット報告書(建設・工場向け)(Excel・登録不要) からそのまま使えます。

結論:ヒヤリハットの例文は「事故の型」から選ぶと早い

ヒヤリハットの報告書を書こうとして手が止まるのは、多くの場合「何をどう書けばいいか」より前の段階です。自分の体験が、何の危険だったのかを言葉にできていないことが多いからです。

そこで役に立つのが「事故の型」です。事故の型とは、けがのもとになった物や環境が、どういう形で人に関わったかを分けた言葉です。厚生労働省の職場のあんぜんサイトでは、次の21に分けられています。

事故の型事故の型事故の型
墜落・転落転倒激突
飛来・落下崩壊・倒壊激突され
はさまれ・巻き込まれ切れ・こすれ踏み抜き
おぼれ高温・低温物との接触有害物等との接触
感電爆発破裂
火災交通事故(道路)交通事故(その他)
動作の反動・無理な動作その他分類不能

「落ちそうになった」なら墜落・転落です。「指が挟まりそうになった」ならはさまれ・巻き込まれです。このように、型を1つ選ぶだけで、報告書の「どうなりかけた」の行が決まります。型が2つに当てはまるときは、防止の対策を考えるうえで主要なほうを選ぶ、とされています。

この記事では、建設現場と工場で出やすい型を中心に、25の例文を並べました。建設と工場で出やすい型は少しずれています。

建設現場と工場で出やすい事故の型建設現場墜落・転落激突され崩壊・倒壊階・通りまで書く工場はさまれ・巻き込まれ切れ・こすれ激突止めたかを書くどちらにも転倒感電熱中症件数を増やせる
建設現場と工場で出やすい事故の型

ヒヤリハット報告書の例文の型(6行)

ヒヤリハットの書き方の手順そのものは、ヒヤリハット報告の書き方で欄ごとに説明しています。このページでは、その手順で書いた完成した文を、型ごとに並べることに絞ります。

25の例文は、すべて次の6行でそろえています。報告書の欄の名前が違っても、たいていはこの6つのどれかに当たります。

例文ヒヤリハット報告書の6行(空欄の型)
いつ:〇月〇日(〇)〇時〇分ごろ
どこで:
何をしていて:
どうなりかけた:
なぜ:
どうする:

書くときのこつは3つです。

  • 「どうなりかけた」は、起きたことと起きるところだったことを分けて書く(「脚立が傾いた。1.5m下の床へ落ちるところだった」)
  • 「なぜ」は、人のせいだけで終わらせず、物・場所・段取りも1つずつ見る
  • 「どうする」は、誰が・何を、まで書く。決めるのが職長や管理者の場合は「(職長と相談)」と添えてよい
ヒヤリハット報告書の6行1いつ・どこで時刻と階・通り2何をしていて機械を止めたか3どうなりかけたあと何が起きたか4なぜ・どうする理由と、誰が何を
6行の書き方の流れ

ヒヤリハットの例文【建設現場】

建設現場のヒヤリハットは、墜落・転落と、重機や車両に激突されるものが中心になります。工程によって危険が毎日変わるので、「どこで」に階・通り・工区まで書くと、同じ場所でくり返し起きていることが後から見えます。

墜落・転落の例文

高さが2mに満たない脚立や作業台でも、落ちれば大けがになります。「低いから大丈夫」と思った場面ほど、報告に上がりにくい型です。

例文脚立から落ちかけた(内装・天井の配線)
いつ:〇月〇日(〇)14時10分ごろ(昼休み明けの作業)
どこで:〇〇ビル新築工事 3階 東側廊下
何をしていて:脚立の上から2段目に立ち、天井裏へ配線を通していた
どうなりかけた:手の届かない位置へ体を伸ばしたとき、脚立が横に傾いた。床へ落ちるところだった
なぜ:脚立を作業する位置の真下まで動かさず、手を伸ばして届かせようとした
どうする:届かないときは一度降りて脚立を動かす。高い位置は可搬式の作業台に替える
例文開口部の養生の上を踏みかけた(躯体)
いつ:〇月〇日(〇)9時30分ごろ
どこで:〇〇マンション新築工事 4階 X3通り 設備用の開口部
何をしていて:鉄筋を運びながら、開口部の横を通っていた
どうなりかけた:開口部をふさいだ合板がずれていて、片足が隙間に入りかけた。下の階へ落ちるところだった
なぜ:合板が固定されておらず、資材の運搬で動いていた。開口部の表示も無かった
どうする:開口部の養生は釘で固定し、「開口部」の表示を付ける。毎朝、養生のずれを見る
例文足場の手すりを外したまま作業しかけた(外装)
いつ:〇月〇日(〇)10時50分ごろ
どこで:〇〇ビル改修工事 南面 足場3層目
何をしていて:他職が資材を入れるために外した手すりのそばで、外壁の下地を直していた
どうなりかけた:手すりが無いことに気づかず、背中を手すりに預けようとした。足場の外へ落ちるところだった
なぜ:手すりを外したことが、同じ層で作業する人に伝わっていなかった
どうする:手すりを外した人が、戻すまでその場を離れない。外している間は表示を下げる

転倒の例文

転倒は、どの現場でも件数が多い型です。つまずいた物と、そこにあった理由を書くと、片付けの決まりにつながります。

例文通路のホースにつまずきかけた(設備)
いつ:〇月〇日(〇)8時40分ごろ(朝礼の直後)
どこで:〇〇工場増築工事 1階 北側の通路
何をしていて:工具箱を両手で持って、持ち場へ向かっていた
どうなりかけた:床をはっていた水のホースに足を引っかけ、前に倒れかけた
なぜ:ホースが通路を横切っていた。工具箱で足元が見えなかった
どうする:ホースは通路の端に寄せて固定する。荷物は片手で持てる量に分けて運ぶ
例文雨のあとの敷き鉄板で滑りかけた(土工)
いつ:〇月〇日(〇)7時50分ごろ(前の晩に雨)
どこで:〇〇造成工事 場内の仮設道路
何をしていて:重機の誘導のため、敷き鉄板の上を小走りで移動していた
どうなりかけた:濡れた鉄板の上で足が滑り、尻もちをつきかけた
なぜ:鉄板の表面に泥が乗って濡れていた。急いで走っていた
どうする:雨のあとは鉄板の泥を落としてから使う。場内では走らない

飛来・落下の例文

上下で作業が重なる日に出やすい型です。落とした側と、下にいた側の、どちらからでも報告できます。

例文上の階から工具が落ちてきた(上下作業)
いつ:〇月〇日(〇)11時15分ごろ
どこで:〇〇ビル新築工事 外部 東面 1階付近
何をしていて:外壁の下で、搬入した資材を仕分けていた
どうなりかけた:上の足場からスパナが落ちてきて、50cmほど横に当たった。頭に当たるところだった
なぜ:上で作業していた人の工具に落下防止のひもが付いていなかった。下は立入禁止になっていなかった
どうする:上下で作業する時間を分ける。工具には落下防止のひもを付ける(職長と相談)
例文吊り荷の下を通りかけた(揚重)
いつ:〇月〇日(〇)13時20分ごろ
どこで:〇〇倉庫新築工事 搬入口の前
何をしていて:材料置き場から作業場所へ向かって歩いていた
どうなりかけた:クレーンで吊っていた鉄骨の真下に入りかけ、合図者に止められた
なぜ:吊り荷を見ずに、いつもの近道を通ろうとした。立入禁止の範囲が示されていなかった
どうする:吊っている間は、コーンとバーで通れない範囲を作る。近道は使わない

激突されの例文

重機や車両に当てられかける型です。運転席から自分が見えていたかを「なぜ」の行に書くと、立ち位置の決まりにつながります。

例文バックホウの旋回に当たりかけた(土工)
いつ:〇月〇日(〇)15時05分ごろ
どこで:〇〇造成工事 第2工区 掘削場所の横
何をしていて:掘削の深さを測るため、バックホウの横で物差しを当てていた
どうなりかけた:バックホウが旋回し、後ろの部分が体の50cm手前を通った。はね飛ばされるところだった
なぜ:運転手からは死角になる位置に立っていた。旋回範囲に入ることを合図していなかった
どうする:旋回範囲に入るときは、運転手と目を合わせて機械を止めてもらってから入る
例文後退するダンプにひかれかけた(場内)
いつ:〇月〇日(〇)10時00分ごろ
どこで:〇〇造成工事 残土の積込み場所
何をしていて:積込み場所の横で、片付けをしていた
どうなりかけた:後退してきたダンプが2mほど手前で止まった。誘導員の声が無ければひかれていた
なぜ:作業に集中して、ダンプの後退の音に気づかなかった。人の通る場所と車両の通る場所が分かれていなかった
どうする:積込み場所の周りは歩く場所をコーンで分ける。後退のときは誘導員を必ず付ける

崩壊・倒壊の例文

掘った土や、立て掛けた資材が崩れてくる型です。崩れかけたときの音や兆しを書いておくと、次の人が気づきやすくなります。

例文掘削の側面が崩れかけた(土工・配管)
いつ:〇月〇日(〇)9時45分ごろ(前日に雨)
どこで:〇〇団地 給水管の入替え工事 道路の掘削部分
何をしていて:深さ1.5mほどの溝の中で、配管をつないでいた
どうなりかけた:溝の側面から土がぱらぱらと落ち、一部が崩れて足元に入った。埋まるところだった
なぜ:雨で土が緩んでいた。土留めを入れずに溝の中へ入っていた
どうする:雨のあとは側面を見てから入る。土留めの要否は職長が作業前に決める
例文立て掛けた型枠材が倒れてきた(型枠)
いつ:〇月〇日(〇)16時20分ごろ
どこで:〇〇ビル新築工事 2階 資材置き場
何をしていて:立て掛けてあった型枠のパネルを1枚ずつ取り出していた
どうなりかけた:手前の数枚を抜いたところ、残りのパネルがまとめて倒れてきた。足を挟まれるところだった
なぜ:パネルを壁に急な角度で立て掛け、倒れ止めをしていなかった
どうする:パネルは平置きにするか、倒れ止めの桟を付けて立て掛ける

感電の例文

電気は目に見えないので、気づいた時点で報告するのがいちばん効く型です。漏電遮断器が落ちた、しびれた、焦げた匂いがした、も立派な報告です。

例文延長コードの被覆が破れていた(仮設電気)
いつ:〇月〇日(〇)8時30分ごろ
どこで:〇〇ビル新築工事 1階 仮設の分電盤の近く
何をしていて:電動工具をつなぐため、延長コードを引き出していた
どうなりかけた:コードの被覆が破れ、中の線が見えている部分を素手でつかみかけた。感電するところだった
なぜ:コードが通路を横切って敷かれ、台車に何度も踏まれていた
どうする:破れたコードはその場で使用をやめて交換する。通路の横断部は保護カバーを付ける
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ヒヤリハット報告書(建設・工場向け)

建設現場と工場のヒヤリハットを、いつ・どこで・何をしていて・どうなりかけたか・なぜ・どうするの順で1枚に書く報告書です。例文をコピーして貼り付けられます。登録不要です。

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ヒヤリハットの例文【工場】

工場のヒヤリハットは、機械にはさまれ・巻き込まれるものと、刃物や部材の切れ・こすれが中心になります。機械を止めたかどうかを「何をしていて」に必ず入れると、対策が「止めてから触る」に向かいます。

はさまれ・巻き込まれの例文

動いている機械に手を入れる場面で起きる型です。急いでいた、詰まりを早く直したかった、という理由がよく出ます。

例文コンベヤの詰まりを動かしたまま取ろうとした(組立ライン)
いつ:〇月〇日(〇)10時40分ごろ
どこで:第1工場 組立ライン 3番コンベヤの曲がり角
何をしていて:コンベヤに引っかかった部品を、ラインを止めずに手で取ろうとした
どうなりかけた:手袋の先がローラーに引き込まれかけ、とっさに手を抜いた。指を巻き込まれるところだった
なぜ:ラインを止めると生産が遅れると思った。止める手順が決まっていなかった
どうする:詰まりを取るときは、非常停止を押してから手を入れる。止めたことは班長に伝える
例文金型の交換中にプレスの間に手が入りかけた(プレス)
いつ:〇月〇日(〇)13時50分ごろ
どこで:第2工場 プレス職場 2号機
何をしていて:金型の交換のため、上型と下型の間で位置合わせをしていた
どうなりかけた:もう1人が少しずつ動かすボタン(寸動)に触れ、上型が少し下がった。手を挟まれるところだった
なぜ:2人で作業していたが、どちらがボタンを操作するかを決めていなかった
どうする:金型の交換中は、操作する人を1人に決める。手を入れる人は安全ブロックを入れてから入る
例文ボール盤に手袋が巻き込まれかけた(機械加工)
いつ:〇月〇日(〇)15時30分ごろ
どこで:第1工場 加工場 ボール盤の前
何をしていて:穴あけのあとに出た切りくずを、回転したまま手で払っていた
どうなりかけた:軍手の指先がドリルに触れ、引っ張られた。手ごと巻き込まれるところだった
なぜ:回転する刃物の作業で手袋をはめていた。切りくずを手で払っていた
どうする:回転する刃物を使うときは手袋をはめない。切りくずは止めてからブラシで払う

切れ・こすれの例文

カッター、金属板の端、梱包のバンドなど、身近な物で起きる型です。軽いけがで終わることが多い分、報告の数を増やしやすい型でもあります。

例文梱包バンドを切ったら跳ねた(出荷場)
いつ:〇月〇日(〇)9時10分ごろ
どこで:第1工場 出荷場 荷ほどきの場所
何をしていて:入ってきた資材の梱包バンドを、カッターで切っていた
どうなりかけた:切った瞬間にバンドが跳ね、顔のすぐ横をかすめた。目に当たるところだった
なぜ:バンドが強く張った状態で、顔を近づけて切っていた
どうする:バンドは押さえてから、体の横で切る。荷ほどきでは保護めがねを付ける
例文鋼板の端で手を切りかけた(板金)
いつ:〇月〇日(〇)11時00分ごろ
どこで:第2工場 板金職場 切断機の横
何をしていて:切断したばかりの鋼板を、台から台へ移していた
どうなりかけた:鋼板の切り口のばり(とがった出っ張り)に手のひらが当たり、手袋が裂けた。手を切るところだった
なぜ:切り口のばりを取る前に運んでいた。薄い手袋を使っていた
どうする:運ぶ前にばりを取る。鋼板を持つときは切れにくい手袋を使う

激突の例文

激突は、人の側から物にぶつかる型です(物のほうが動いてくるのは「激突され」)。頭をぶつけかけた、も報告に上げてよい内容です。

例文棚の角に頭をぶつけかけた(部品倉庫)
いつ:〇月〇日(〇)14時30分ごろ
どこで:第1工場 部品倉庫 C列の棚
何をしていて:棚の下段から部品の箱を出し、しゃがんだ姿勢から立ち上がった
どうなりかけた:上の段から出ていた棚板の角に、頭が当たりかけた
なぜ:棚板が通路側へはみ出していた。帽子をかぶっていなかった
どうする:はみ出した棚板を奥へ戻す。倉庫の中でも帽子をかぶる

高温・低温物との接触の例文

熱い物に触れてやけどをしかける型です。「冷めていると思った」が理由に出やすいので、温度が分かる工夫が対策に入ります。

例文溶接したばかりの部材をつかみかけた(溶接)
いつ:〇月〇日(〇)16時00分ごろ
どこで:第2工場 溶接職場 3番ブース
何をしていて:溶接を終えた部材を、次の工程へ回すために持ち上げようとした
どうなりかけた:素手で部材をつかみかけ、熱さに気づいて手を引いた。やけどをするところだった
なぜ:溶接して数分しかたっておらず、見た目では熱いと分からなかった
どうする:溶接後の部材には「高温」の札を置く。冷めるまで置く場所を決める

有害物等との接触の例文

薬品や洗浄剤が目や肌に付きかける型です。何の薬品だったかを名前まで書くと、保護具の選び方が決まります。

例文洗浄剤が顔に跳ねた(設備の清掃)
いつ:〇月〇日(〇)17時20分ごろ(終業前の清掃)
どこで:第1工場 塗装職場 ガンの洗浄場所
何をしていて:塗装のガンを、容器に入れた洗浄剤で洗っていた
どうなりかけた:ガンを容器に入れた勢いで洗浄剤が跳ね、ほおに付いた。目に入るところだった
なぜ:保護めがねを付けていなかった。容器が浅く、勢いよく入れていた
どうする:洗浄では保護めがねと手袋を付ける。深い容器に替え、ゆっくり入れる

動作の反動・無理な動作の例文

重い物を持つ、ひねる、無理な姿勢で力を入れる、といった場面の型です。腰を痛めかけた、も報告の対象です。

例文重い箱を持ち上げて腰をひねった(出荷)
いつ:〇月〇日(〇)8時20分ごろ(始業すぐ)
どこで:第1工場 出荷場 パレットの前
何をしていて:床に置いた部品の箱を、パレットの上へ積み替えていた
どうなりかけた:箱を持ったまま体をひねったとき、腰に強い痛みが走りかけた。ぎっくり腰になるところだった
なぜ:始業直後で体が温まっていなかった。足を動かさず、腰だけで向きを変えた
どうする:重い箱は2人で持つ。向きを変えるときは足ごと体を回す

ヒヤリハットの例文【車両・熱中症】

建設と工場のどちらでも起きるのが、構内の車両、現場への移動、夏の熱中症です。熱中症は、労働局の集計では事故の型の「高温・低温物との接触」に入れて数えられています。「暑さで気分が悪くなりかけた」も、ヒヤリハットとして書いてよい内容です。

激突されの例文(構内のフォークリフト)

例文フォークリフトに後ろから当たりかけた(倉庫)
いつ:〇月〇日(〇)13時10分ごろ
どこで:第1工場 製品倉庫 B通路の交差点
何をしていて:伝票を見ながら、通路を歩いて横切っていた
どうなりかけた:右から来たフォークリフトが、目の前1mほどで止まった。ぶつかるところだった
なぜ:交差点で左右を見ていなかった。荷で運転手の前方が見えにくくなっていた
どうする:交差点では立ち止まって左右を見る。通路と歩く場所を線で分ける(職長と相談)

交通事故(道路)の例文

現場や取引先への移動中も、仕事中の災害に入ります。急いでいた理由まで書くと、段取りの見直しにつながります。

例文現場への移動中に追突しかけた(社用車)
いつ:〇月〇日(〇)7時40分ごろ
どこで:〇〇町の県道 〇〇交差点の手前
何をしていて:社用車で資材を積んで、現場へ向かっていた
どうなりかけた:前の車が急に止まり、急ブレーキでぎりぎり止まった。追突するところだった
なぜ:出発が遅れて急いでいた。車間を詰めて走っていた
どうする:資材の積込みは前日のうちに済ませる。車間を空けて走る

熱中症の例文

熱中症は、本人が「まだ大丈夫」と思っているうちに進みます。周りの人が気づいた場面も、ヒヤリハットとして書けます。

例文屋外で作業中にふらついた(建設・夏)
いつ:〇月〇日(〇)14時30分ごろ(晴れ)
どこで:〇〇造成工事 第1工区 日陰の無い場所
何をしていて:昼休みのあとから、型枠の組立てを続けていた
どうなりかけた:立ち上がったときに目の前が暗くなり、ふらついた。座って水を飲んで回復した
なぜ:前の晩によく眠れていなかった。昼休みのあとに水分をとっていなかった
どうする:決まった時間に休憩と水分をとる。体調の悪いときは朝礼で申し出る
例文炉の近くで作業中に気分が悪くなった(工場・夏)
いつ:〇月〇日(〇)15時00分ごろ
どこで:第2工場 熱処理職場 炉の前
何をしていて:炉から出した部品を、冷却用の台へ並べていた
どうなりかけた:手がしびれ、吐き気がしてきた。そのまま作業を続ければ倒れるところだった
なぜ:炉の熱で周りの温度が上がっていた。作業の切れ目が無く、休憩をとっていなかった
どうする:炉の前の作業は交代で回す。気分が悪い人を見かけたら、すぐに涼しい場所で休ませる

ヒヤリハットの例文を自分の報告書に写すときに直す3か所

25の例文は下敷きです。そのまま写すと、誰が書いても同じ報告書になります。直すのは3か所だけです。

直す行足すもの例
どこで階・通り・工区、機械の番号3階 X3通り/プレス2号機
なぜ物・場所・段取りの3つから1つずつ養生が固定されていない/表示が無い
どうする誰が・何を・いつから職長が明日の朝礼で周知する

「どうなりかけた」の行は、数字を1つ入れると伝わり方が変わります。「落ちそうになった」より「1.5m下の床へ落ちそうになった」。「近くを通った」より「50cm手前を通った」。読んだ人が、どれくらい危なかったかを同じ大きさで受け取れます。

起きてしまったミスの報告は、ヒヤリハットとは書く順番が少し違います。起きたことの報告書は作業ミスの報告書の例文に、パトロールで見つけた危険を書く文は安全パトロールのコメントの例文に分けて置いています。

集まったヒヤリハットは、翌日のKY(危険予知)の材料にそのまま使えます。「昨日、3階でこういうヒヤリがあった」から始めると、KYの危険のポイントが具体的になります。KYの文の形はKY活動の例文に並べています。

ヒヤリハットの例文のネタが出ないときの見つけ方

「ヒヤリハットを1人1件出して」と言われても、すぐには思い出せないものです。ヒヤリは、起きた瞬間に忘れるようにできています。何も起きずに済んだからです。

思い出すきっかけを、短い一言にまとめました。朝礼や月末の提出前に、この中から1つ読み上げると出てきやすくなります。

例文ネタが出ないときの一言集(読み上げ用)
今日、急いだ場面はなかったか。
今日、「まあいいか」と省いた手順はなかったか。
今日、足元を見ずに歩いた場所はなかったか。
今日、手を伸ばして届かせた場所はなかったか。
今日、止めずに触った機械はなかったか。
今日、上を見ずに通った場所はなかったか。
今日、声をかけずに後ろを通った人はいなかったか。
今日、いつもと違う物が置いてあった場所はなかったか。
今日、新しく入った人が迷っていた場所はなかったか。
今日、暑さや寒さで集中が切れた時間はなかったか。

一言集のほかに、場所・時間・道具・人の4つから探す方法もあります。

探す場所思い出す問い
場所通路・階段・開口部・機械のそばで、ひやっとしたことは
時間朝いちばん・昼休み明け・終業前に、急いだことは
道具脚立・カッター・延長コードで、いつもと違ったことは
人新しく入った人・他の職の人と、ぶつかりそうになったことは
ネタが出ないときに見る4つの場所探す場所思い出す問い場所通路・開口部・機械のそば時間朝いちばん・昼休み明け・終業前道具脚立・カッター・延長コード人新しく入った人・他の職の人
ネタが出ないときに見る4つの場所

ヒヤリハットのネタを朝礼の話につなげる形は、安全朝礼のネタでも扱っています。

よくある質問

ヒヤリハット報告書に決まった様式はありますか

ヒヤリハットの報告書は、会社や元請ごとに様式を決めて使っていることが一般的です。欄の名前が違っても、このページの6行のどれかに当たることがほとんどです。様式が手元に無い場合は、6行を写すだけでも報告として成り立ちます。

事故の型が2つに当てはまるときは、どちらを書けばいいですか

職場のあんぜんサイトの説明では、複数の型に当てはまるときは、防止の対策を考えるうえで主要なほうを選ぶとされています。たとえば脚立の上でバランスを崩して落ちかけたなら、転倒ではなく墜落・転落を選ぶ、という考え方です。迷う場合は、自社の安全担当に確認してください。

熱中症はどの事故の型に入りますか

労働局の熱中症の集計では、「高温・低温物との接触」に入れて数えられています。ただ、報告書の型の欄に熱中症の欄がある会社もあります。自社の様式に合わせて書いてください。

自分の不注意を書くのは気が引けます

ヒヤリハットの報告は、書いた人を責めるためのものではありません。同じ場所で次の人がけがをしないための材料です。「なぜ」の行は、自分の不注意だけで終わらせず、物・場所・段取りの側の理由も1つ書くと、対策が人に向かいすぎません。

1件の報告にどれくらい書けばいいですか

6行それぞれを、1〜2文で書けば足ります。長く書くより、「どこで」と「どうなりかけた」を具体的に書くほうが役に立ちます。対策を自分で決められないときは、「どうする」に「職長と相談」と書いて出してかまいません。

まとめ

ヒヤリハットの例文は、「事故の型」から選ぶと早く書けます。墜落・転落、転倒、飛来・落下、激突され、はさまれ・巻き込まれ、感電。型を1つ決めれば、「どうなりかけた」の行が決まります。

このページの25例は、「いつ・どこで・何をしていて・どうなりかけた・なぜ・どうする」の6行でそろえてあります。写すときは、どこで(階・通り・機械の番号)、なぜ(物・場所・段取り)、どうする(誰が・何を・いつから)の3か所を自分の現場の言葉に直してください。

ネタが出ないときは、一言集から1つ読み上げるか、場所・時間・道具・人の4つから探します。欄ごとの書き方の手順は、ヒヤリハット報告の書き方で詳しく扱っています。

点検表テンプレート
無料のExcel

ヒヤリハット報告書(建設・工場向け)

建設現場と工場のヒヤリハットを、いつ・どこで・何をしていて・どうなりかけたか・なぜ・どうするの順で1枚に書く報告書です。例文をコピーして貼り付けられます。登録不要です。

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