KY・危険予知例文2026.10.13 公開KY-02

足場のKY活動の例文|組立・解体・使用中の15例

目次

足場のKY活動は、「足場の上で作業する日」と「足場そのものを組む・ばらす日」で、危険がまったく別のものになります。前者は落ちる・物を落とす話が中心ですが、後者はそれに加えて、まだ完成していない足場の上で作業するという条件が付きます。

この記事では、足場のKY活動の例文を、組立・使用中・解体・点検と悪天候後の15例に分けて並べます。あわせて、「手すりを外した瞬間」が繰り返し出てくる理由と、例文を自分の現場の言葉に直す方法を書きます。足場の点検や墜落制止用器具の要求は法令で定められており、内容も改正されています。自社の工事に何が適用されるかは、所轄の労働基準監督署に確認してください。

この記事の様式は KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)(Excel・登録不要) からそのまま使えます。

結論:足場のKYは「手すりが無い瞬間」を1日1つ特定する

足場に関わる災害は、場面が違っても中身が似ています。手すりや幅木が無い状態が生まれる瞬間に集中しているためです。

場面手すりが無い瞬間
組立て次の層を組むために先端に立つとき
使用中資材を入れるために手すりを外したとき
解体下の層から先に外してしまったとき
点検直すために一時的に外したとき

KYで「今日、手すりが無い瞬間はどこか」を1つ特定できれば、その日の重点項目はほぼ決まります。逆に、ここが特定できていないKYは、どれだけ項目を書いても当日に効きません。

手すりが無くなる瞬間場面無くなる瞬間組立て次の層のため先端へ出る使用中資材を入れるため外す解体下の層から先に外す点検直すため一時的に外す
足場で手すりが無くなる4つの瞬間

足場のKY例文【組立て】

例1:建地の建て起こし(1層目)

例文例1 建地の建て起こし(1層目)
作業内容:南面 くさび式足場 1層目の組立て、敷板・ジャッキベース設置、4名
潜む危険:地盤が軟らかいので、ジャッキベースが沈んで足場が傾く/敷板が斜面にかかるので、滑る/建地を立てる際に、隣の建地に当たって倒れる
重点項目:不同沈下による足場の傾き
対策:敷板を連続で敷き、ジャッキの調整後に水平を確認する。雨後は再確認する。建地は2人で支えて立てる
行動目標:1層目の水平を全員で確認してから上へ進む
指差呼称:ジャッキ、水平、ヨシ

例2:2層目以降の組立て(手すり先行)

例文例2 2層目以降の組立て(手すり先行)
作業内容:南面 2〜4層の組立て、手すり先行工法、5名
潜む危険:次の層の床を張る前に上がるので、墜落する/部材を上へ渡すときに、手を離して落とす/足元の隙間に工具を落とす
重点項目:作業床が未完成の状態での墜落
対策:上の層の手すりを先に取り付けてから床を張る。部材はロープで上げ、手渡しをしない。工具は必ず落下防止のひもを付ける
行動目標:手すりを先、床は後
指差呼称:先行手すり、取付け、ヨシ

例3:壁つなぎの取付け

例文例3 壁つなぎの取付け
作業内容:壁つなぎ取付け、アンカー打設、外壁面
潜む危険:手すりの外側へ体を出すので、墜落する/アンカーの打設時に粉じんが目に入る/既存外壁の劣化部にアンカーを打つと、効かずに抜ける
重点項目:手すりの外へ体を出すことによる墜落
対策:安全帯は建地ではなく、先に確保した親綱にかける。打設箇所の下地を事前に確認する。保護メガネを使用する
行動目標:体を出す前にフックをかける
指差呼称:フック、親綱、ヨシ

例4:昇降設備・階段の取付け

例文例4 昇降設備・階段の取付け
作業内容:階段枠の取付け、2〜4層
潜む危険:階段枠が重いので、持ち上げ時に腰を痛める/取付け前の開口から落ちる/踏板の固定を忘れると、乗った瞬間に外れる
重点項目:固定忘れによる踏板の外れ
対策:2名で持ち上げ、固定は取り付けた本人が指差で確認する。取付け前の開口は仮の手すりで塞ぐ
行動目標:取り付けた人が自分で確認する
指差呼称:踏板、固定、ヨシ
手すり先行工法の順番1下の層から完成した床の上に立つ2手すりを先に上の層の手すりを付ける3床は後手すりの中で床を張る4上へ進む無防備な時間を作らない
手すり先行工法での組立ての順番

足場のKY例文【使用中】

例5:資材の搬入(手すりの一時開放)

例文例5 資材の搬入(手すりの一時開放)
作業内容:3層目への外装材の搬入、手すり一時開放、受け2名
潜む危険:手すりを外して荷を入れるので、その間に墜落する/荷が足場の外へはみ出して、下に落ちる/受け取る位置が狭く、体勢を崩す
重点項目:手すりを外している時間の墜落
対策:外す前に安全帯をかける。外す人と戻す人を同じ人にする。荷を入れたら即座に戻し、戻したことを職長が確認する
行動目標:外した人が戻す。戻すまで次に行かない
指差呼称:手すり、復旧、ヨシ

例6:足場上での外壁作業

例文例6 足場上での外壁作業
作業内容:3層目 外壁シーリング、2名、脚立使用なし
潜む危険:作業に集中して足元を見ないので、隙間に足を踏み外す/材料の容器を床に置くので、蹴って落とす/幅木の外へ工具を置くと落ちる
重点項目:足場の隙間への踏み外し
対策:床材の隙間を作業前に見て、広い箇所は板を足す。容器は袋に入れて吊るす。工具は落下防止のひもを付ける
行動目標:床に物を置かない
指差呼称:足元、隙間なし、ヨシ

例7:上下作業(他職が同じ面にいる)

例文例7 上下作業(他職が同じ面にいる)
作業内容:東面 3層で塗装、1層で搬入作業が同時進行
潜む危険:上から物を落とすと、下の作業員に当たる/落下物の音で驚いて、体勢を崩す/連絡がないまま上下で動くので、避けられない
重点項目:上下作業による落下物
対策:作業間連絡調整で時間帯を分ける。分けられない場合は、下層に防護を設け、立入禁止範囲を明示する
行動目標:同じ面で上下に入らない
指差呼称:上下、分離、ヨシ

例8:強風の予報がある日

例文例8 強風の予報がある日
作業内容:足場上での作業、午後から風速が上がる予報
潜む危険:メッシュシートが風を受けるので、足場が揺れる/資材が飛ぶ/体があおられてバランスを崩す
重点項目:強風時の飛来・落下と、体のあおられ
対策:作業中止の風速をあらかじめ決めて全員に伝える。資材は昼までに固定するか下ろす。シートの結束を朝のうちに見る
行動目標:決めた風速になったら止める
指差呼称:資材、固定、ヨシ
外した人が戻す1かける外す前に安全帯2外す外す人を1人に決める3荷を入れる入れ終わるまで離れない4戻す外した本人が戻して報告戻すまで次に行かない
手すりを外すときの「外した人が戻す」の流れ
点検表テンプレート
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KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)

朝のKYで、危険のポイント・重点・対策・行動目標を1枚に書くためのKY活動表です。例文図書館の例文をコピーして、そのまま貼り付けて使えます。登録不要です。

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足場のKY例文【解体】

例9:最上層からの解体

例文例9 最上層からの解体
作業内容:南面 足場解体、最上層から、5名
潜む危険:手すりを外しながら下がるので、途中で無防備な状態になる/部材を下へ投げると、当たる/解体順序を飛ばすと、残った部分が不安定になる
重点項目:解体中の墜落
対策:安全帯をかける場所を先に決め、外す順番を作業主任者が指示する。部材は手渡しかロープで下ろす。投げない
行動目標:指示された順番以外で外さない
指差呼称:解体順序、確認、ヨシ

例10:部材の下ろし・仮置き

例文例10 部材の下ろし・仮置き
作業内容:解体部材の荷下ろし、地上で受け2名
潜む危険:部材が滑って落ちるので、下の人に当たる/地上の仮置きが高く積まれるので、崩れる/通路に部材が出るので、通行者がつまずく
重点項目:荷下ろし中の落下
対策:直下を立入禁止にし、合図者を置く。仮置きは腰の高さまでとする。通路は確保したまま作業する
行動目標:直下に人を入れない
指差呼称:直下、立入禁止、ヨシ

例11:壁つなぎの撤去順序

例文例11 壁つなぎの撤去順序
作業内容:壁つなぎ撤去、足場解体に合わせて上から
潜む危険:壁つなぎを先に全部外すと、足場全体が不安定になる/外した瞬間に足場が動く/アンカーが残ると、通行者に当たる
重点項目:壁つなぎの早期撤去による足場の不安定化
対策:解体する層の壁つなぎだけを外す。下の層の壁つなぎは残す。撤去後のアンカーは同日中に処理する
行動目標:その層の分だけ外す
指差呼称:壁つなぎ、残り、ヨシ

例12:道路に面した面の解体

例文例12 道路に面した面の解体
作業内容:道路面の足場解体、歩行者通行あり、誘導員1名
潜む危険:部材や工具が道路へ落ちると、通行者に当たる/誘導員の立ち位置が死角になり、合図が見えない/作業時間が通学時間と重なる
重点項目:道路への落下物
対策:作業時間を通学時間帯から外す。落下のおそれのある範囲は誘導員が通行を止める。養生シートは最後まで残す
行動目標:道路側は誘導員の合図でのみ動く
指差呼称:歩行者、なし、ヨシ

足場のKY例文【点検・悪天候後】

足場は、作業開始前の点検のほか、強風・大雨・地震のあとや、組立て・変更のあとに点検することが定められています。点検者をあらかじめ指名し、記録に氏名を残すことも求められています。詳しくは足場の点検のやり方にまとめています。

例13:作業開始前点検

例文例13 作業開始前点検
作業内容:作業開始前の足場点検、点検者1名
潜む危険:点検しながら移動するので、注意が手元に向いて足元がおろそかになる/異常を見つけても、その場で直そうとして無理な体勢になる/点検が形だけになり、見落とす
重点項目:点検中の墜落
対策:点検は歩きながら記録せず、止まって記録する。直すのは道具を取りに戻ってから。見る場所を一覧にして順番に見る
行動目標:その場で直そうとしない
指差呼称:手すり、緊結、ヨシ

例14:強風・大雨のあとの点検

例文例14 強風・大雨のあとの点検
作業内容:台風通過後の足場点検、作業再開前
潜む危険:緩んだ緊結部に気づかず乗ると、外れる/シートの破れから風が入って、足場が動く/地盤が緩んで、ジャッキが沈んでいる
重点項目:緊結部の緩みによる部材の外れ
対策:最下層の沈下と、緊結部の緩みを先に見る。異常が1か所でもあれば、作業再開を保留して報告する
行動目標:直してから使う。使いながら直さない
指差呼称:緊結、緩みなし、ヨシ

例15:他社が組んだ足場を初めて使う日

例文例15 他社が組んだ足場を初めて使う日
作業内容:他社施工の足場を使用、初日、作業員3名
潜む危険:昇降設備の位置が分からないので、無理な昇降をする/どこまで使ってよいか分からず、立入禁止区画に入る/手すりの外れている箇所に気づかない
重点項目:足場の状態を知らないまま使うことによる墜落
対策:使用前に足場の範囲・昇降設備・立入禁止区画を全員で歩いて確認する。異常があれば管理者へ連絡し、勝手に手を加えない
行動目標:使う前に一周してから上がる
指差呼称:昇降設備、位置、ヨシ
足場のKYで押さえる4つの場面組立て作業床が未完成使用中手すりの一時開放解体外す順番と落下物悪天候後緊結の緩みと沈下
足場のKYで押さえる4つの場面

例文を自分の現場の言葉に直す

15例は下敷きですが、そのまま書き写すと、翌日から同じ紙が並びます。直すのは2か所だけです。

直す欄足すもの
作業内容面(南面・東面)、層、人数、今日の天候
対策誰が、いつまでに、どこを
  • 前:「手すりを外す前に安全帯をかける」
  • 後:「3層目の搬入口で、◯◯が10時までに親綱を張り、外す人はそこにかける」

「誰が」が入ると、朝の時点で分担が決まります。入っていないと、当日に誰も動きません。

例文を自分の現場の言葉に直す借り物のまま外す前に安全帯をかけるどこで、誰がが無い2か所を足す3層目の搬入口で◯◯が10時までに親綱を張る朝の時点で分担が決まる
例文を自分の現場の言葉に直す2か所

よくある質問

足場の上の作業でも、毎日KYをやる必要がありますか

法令でKYの実施頻度が定められているわけではありませんが、作業内容と条件が毎日変わるため、毎日行っている現場が大半です。同じ作業が続く場合は、条件(風・人数・他職)を変えて書くと内容が変わります。

手すりを外さずに資材を入れる方法はありますか

搬入用の開口部を設けた足場にする、揚重機を使う、荷受けステージを設けるなど、いくつかの方法があります。外さない方法があるなら、そちらを先に検討するのが本来の順番です。

一側足場は使えなくなったと聞きました

足場に関する規則は改正が続いており、幅の狭い場所での足場の扱いも変わっています。適用の範囲と時期は工事の内容で変わるため、所轄の労働基準監督署または元請の安全管理部門に確認してください。

墜落制止用器具はフルハーネスでないといけませんか

高さや作業の条件によって、使用できる種類が定められています。高い場所ほど要求が厳しくなるという考え方で、一定の条件では胴ベルト型が使えることもあります。現場の決まりを確認してください。

足場の点検記録は保存する必要がありますか

点検の種類によって、記録と保存の求められ方が違います。組立て・変更のあとや悪天候後の点検については、記録を残すことが求められます。詳しくは足場の点検のやり方にまとめています。

まとめ

足場のKY活動は、組立て・使用中・解体・点検の4つで危険の出方が変わりますが、共通しているのは「手すりが無い瞬間」に集中していることです。今日その瞬間がどこで生まれるかを1つ特定できれば、重点項目はほぼ決まります。

15の例文は下敷きとして使えます。作業内容の欄に面・層・人数・天候を入れ、対策の欄に「誰が・いつまでに・どこを」を足すと、借り物の文章が自分の現場の分担になります。手すりを外す作業では、外す人と戻す人を同じ人にする、という決め方が最も実行されやすい形です。

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KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)

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