安全宣言の例文|朝礼・掲示・大会の書き分け
目次
安全週間が近づくと、現場に「安全宣言を1人1枚出してください」という紙が回ってきます。調べれば例文は出てきますが、多くは工場の作業を前提にしたもので、そのまま書き写すと自分の持ち場と合いません。出した本人も、翌週には何を書いたか覚えていないことになります。
この記事では、安全宣言の例文を探すのではなく型で作る方法として整理します。朝礼で読む一言、現場に掲示する宣言、安全大会で読む宣誓文の3つを書き分ける形と、1年のどこで何を書くか、当番が回ってきたときの5分の組み立てまで書きます。掲示のしかたや提出の形は現場ごとに決まりがあるため、自分の現場のやり方に合わせて使ってください。
結論:安全宣言の例文は、型に当てはめると尽きない
安全宣言が毎年似た文になるのは、文そのものを探しているからです。自分の持ち場の作業から作ると決めると、工事が変わるたびに違う文になります。
型は1つで足ります。
> 私は、いつ、何を確かめて、どうする。
この3つを埋めると、そのまま宣言文になります。「私は、梁の上に上がる前に毎回、手すりと床の隙間を目で見てから乗ります」という具合です。
逆に「安全第一で作業します」「気をつけます」は、翌年もそのまま使えてしまいます。同じ文が来年も使えるなら、それは今の現場から出た宣言ではないという見分け方ができます。
安全宣言は3つの場面で長さも主語も違う
安全宣言という言葉は、現場では3つの別のものを指しています。どれを求められているのかが決まっていないと、書き出しで止まります。
| 場面 | 出す人 | 長さ | 主語 |
|---|---|---|---|
| 朝礼で読む一言 | 作業者本人・当番 | 1文(40〜60字) | 私は |
| 現場に掲示する宣言 | 作業所長・職長 | 3項目 | 私たちは |
| 安全大会の宣誓文 | 作業員代表・協力会代表 | 3〜5行 | 私たち○○の全員は |
紙が回ってきたら、まずどれかを確かめます。個人の宣言を求められているのに掲示用の3項目を書くと、内容は正しくても差し戻されます。
見分け方は簡単です。「1人1枚」と言われたら個人の宣言、「作業所として」と言われたら掲示、「大会で読む」と言われたら宣誓文です。どれか分からないときは、去年の紙が残っていないかを先に探すと早く済みます。
朝礼で読む一言
その日の自分の作業から1つ選び、型に当てはめます。工種別に並べると、次のような形になります。
どれも「私は+いつ+何を確かめて+どうする」の順に並んでいます。確かめるものを入れ替えるだけで、自分の持ち場の文になります。
現場に掲示する宣言
掲示は期間中ずっと貼られたままになるので、その現場で全員が守ることを3項目にまとめます。
一、高さ2m以上の作業に入る前に、手すり・親綱・足元の3点を全員で確認してから始めます。
一、重機の旋回範囲はバリケードで囲い、中に人がいる間は動かしません。
一、暑さ指数が28を超えた日は、1時間ごとに全員で休憩を取ります。
3つまでにすると、通りがかりに読み切れます。10項目並べた掲示は、貼った翌週から誰も立ち止まりません。
選ぶ手がかりは、直近のヒヤリハットと、その工事で使う機械です。足場を組む工事なら墜落、重機が入る工事なら接触、夏の工事なら熱中症というように、その現場で起きる確率が高いものから順に並びます。
工事の種類が変わると、3項目の中身も変わります。解体工事と内装工事なら、次のような形になります。
一、解体している階の下には、作業中は人を入れません。
一、重機の旋回範囲はバリケードで囲い、合図者の合図でのみ動かします。
一、粉じんが出る作業の前に、散水と防じんマスクの着用を全員で確認します。
一、脚立は開き止めを掛けて使い、天板には乗りません。
一、床の開口をふさぐ板を外したときは、外した人がその場で戻します。
一、搬入した材料は通路の白線の内側に置き、通路を空けておきます。
貼る場所で読む人が変わる
同じ紙でも、貼る場所によって届く相手が変わります。詰所の入口なら毎日入る人、仮囲いの外なら近隣の人が読みます。
| 貼る場所 | 読む人 | 向いている内容 |
|---|---|---|
| 詰所の入口・朝礼台の正面 | その日入場する全員 | 現場で実行する3項目 |
| 各職の作業場・加工場 | その職の作業者 | 工種に絞った1項目 |
| 仮囲いの外側 | 近隣・通行者 | 会社の方針と連絡先 |
工種が混ざる現場では、詰所に共通の3項目、加工場にその職の1項目という置き方が使われています。全部を1か所に貼ると、誰に向けた紙なのかが読み取れなくなります。
安全大会の宣誓文
代表者が全員の前で読むため、その場にいる人が自分も含まれていると分かる書き方にします。
一、決めた手順を、急いでいるときほど省かないこと。
一、危ないと思ったことは、その場で声に出して作業を止めること。
協力会の代表が読む場合は、次のような形も使えます。
一、作業を始める前に、その日の危ない場所を全員で確かめること。
一、決められた保護具を、暑い日も急ぐ日も外さないこと。
一、新しく入った仲間に、この現場の決まりを自分の言葉で伝えること。
大会の開会・閉会の挨拶や式次第は、宣誓文とは別の資料です。どちらを頼まれているのかを先に確かめると、探す時間が短くなります。
私の安全宣言シート(班の掲示用)
班の全員の安全宣言を1枚にまとめて、詰所や朝礼台に掲示するためのシートです。例文図書館の宣言文をコピーして貼り付けられます。登録不要です。
Excelを見る・ダウンロード1年のどこで何を書くかを決めておく
安全宣言が毎年ばたばたするのは、必要になってから書き始めるからです。1年の流れのどこで何を書くかを先に決めると、そのつど考えずに済みます。
| 時期 | 書くもの | 誰が |
|---|---|---|
| 年度初め | 会社の安全衛生方針 | 会社・安全衛生委員会 |
| 工事の着手時 | 現場に掲示する3項目 | 作業所長・職長 |
| 全国安全週間(7月) | 個人の宣言 | 作業者全員 |
| 安全大会 | 宣誓文 | 作業員代表 |
| 工種が変わるとき | 掲示の3項目を書き直す | 作業所長 |
この表のうち、手が止まりやすいのは個人の宣言です。人数が多く、全員が同時に書くためです。型を紙に刷って配ると、書く時間が半分以下になります。
個人の宣言を全員分そろえるとき
安全週間の前に全員分を集める場合、白紙を配ると空欄のまま戻ってきます。型と、工種別の例文を1枚に刷って配ると、書き換えるだけで済みます。
集めたあとに一度ざっと読んで、「注意します」で終わっている紙だけ本人に戻す形にすると、全員分を直すより早く終わります。戻すときは書き直しを求めるのではなく、何を見るかを口頭で1つ聞いて、その場で書き足してもらうと負担が軽くなります。
協力会社から集める場合は、会社ごとに1枚ではなく人ごとに1枚にします。人ごとにすると、その人の持ち場の作業が出てきます。会社ごとにまとめると、どうしても一般論になります。
書き直すきっかけを工程表に置く
掲示の3項目は、工種が変わると中身が合わなくなります。掘削から躯体、躯体から内装と進むと、多い災害も変わるためです。
書き直すタイミングを工程表の節目に印で置いておくと、思い出す手間がなくなります。月に1度と決めるより、工程に紐づけるほうが現場の実感に合います。
当番が回ってきたときの5分の組み立て
「明日の朝礼で安全宣言を」と前日に言われる場面は、現場では珍しくありません。5分で作る手順を決めておくと困りません。
- 明日の作業予定を見る(1分)。自分の持ち場でいちばん危ないものを1つ選ぶ
- その作業で起きやすいことを1つ書く(1分)。墜落、飛来落下、感電、挟まれのどれか
- 自分が確かめるものを決める(2分)。何を見るか、いつ見るか、何回見るか
- 型に当てはめて1文にする(1分)。私は+いつ+何を確かめて+どうする
時間がかかるのは3つ目だけです。ここで「注意する」で止めると、翌日の動きが変わりません。見るものの名前を出すと、そのまま行動になります。
数字を1つ入れる
「毎回」「1時間に1回」「2m以上」のように、数字が1つ入るだけで宣言が具体的になります。数字が入っていれば、巡視のときに守れたかどうかを見に行けます。
数字の無い宣言は、守れたかを誰も判定できません。判定できないものは、次の年も同じ文で出てくることになります。
前日に何も思いつかないとき
明日の作業が段取りや片付けで、危ないものが浮かばない日もあります。その場合は前日のヒヤリハットか、巡視で自分が見たものを使います。
「昨日、通路に材料がはみ出していたので、今日は自分の材料を白線の内側に置きます」という形でも宣言として成立します。その日の現場で実際に見たものが入っていれば、一般論にはなりません。
同じ形で、ヒヤリハットと巡視から作った例です。
宣言が続かない現場に共通する3つ
宣言を出したあとに形だけになる現場には、共通する形があります。3つとも書き方ではなく運用の問題です。
| 症状 | 起きていること | 手当て |
|---|---|---|
| 去年と同じ紙が貼ってある | 見直す日が決まっていない | 掲示した日と見直す日を同じ紙に書く |
| 誰も読んでいない | 項目が多い | 3項目に絞る。貼る場所を作業者の動線に変える |
| 守れていないが話題にならない | 振り返る場がない | 週に1回、できた・できなかったの2つだけ聞く |
いちばん多いのは1つ目です。貼った紙は景色になるので、期限を書いておかないと誰も気づきません。
2つ目は、貼る場所を決めた人と読む人がずれているときに起きます。事務所の壁に貼ってあっても、作業者は1日に1回しか通りません。人が立ち止まる場所に貼ると、それだけで読まれ方が変わります。手洗い場の前や、朝礼台の正面がよく使われています。
振り返りは責める場にしない
できなかった理由を聞く場が「なぜ守らなかったのか」を問う場になると、次から誰も言わなくなります。聞くのはどんなときにできなかったかだけで足ります。
「急いでいた日にできなかった」と分かれば、次に直すのは本人ではなく段取りのほうだと決まります。宣言を守れる形に現場を寄せるほうが、掲示を増やすより効きます。
振り返りで出てきたことは、翌年の宣言の材料にもなります。同じ場面で3回できていなければ、その宣言は現場の作りと合っていないと考えるほうが早く進みます。工具の置き場を変える、動線を変えるといった手当てのほうが、宣言を書き直すより効くことがあります。
安全宣言と、ふだんの安全活動のつなぎ方
安全宣言だけを単独でやると、年に一度の行事で終わります。ふだん回している活動とつないでおくと、宣言を書く材料が自然にたまります。
| ふだんの活動 | 宣言に使えるもの |
|---|---|
| KY活動 | 4ラウンド目の行動目標がそのまま宣言文になる |
| 安全朝礼 | 今日の作業から選んだ話が、その人の宣言になる |
| 安全日誌 | 宣言どおりにできたかの振り返りを書く場所 |
| 安全パトロール | 掲示の3項目を、巡視で見に行く項目にする |
| ヒヤリハット報告 | 前日のヒヤリハットが、当番の宣言の材料になる |
いちばんつなぎやすいのはKY活動です。KY用紙の書き方で「〜なので〜になる」の形を作っているなら、その材料をそのまま使えます。
巡視で見る項目に落とす
掲示した3項目を安全パトロールの項目に入れておくと、宣言が生きているかどうかが毎週分かります。守られていない項目が続くなら、宣言の書き方ではなく現場の作りのほうを直します。
一方、巡視の項目を増やしすぎると、どれも見なくなります。宣言から入れるのは、その期にいちばん多い災害の1つだけにします。
新しく入場した人に、宣言をどう伝えるか
安全宣言は、掲示した時点でいた人には届きますが、あとから入場した人には届きません。工期の長い現場では、途中から入る人のほうが多くなることもあります。
新規入場者教育の場で、掲示している3項目を読み上げる形にしておくと、抜けがなくなります。教育の記録に「安全宣言を伝えた」と1行残しておけば、誰まで届いたかも追えます。
協力会社が入れ替わるとき
工種が変わって協力会社ごと入れ替わるときは、宣言そのものを書き直すタイミングでもあります。前の工種の宣言が貼られたままだと、新しく入った人には自分に関係のない紙に見えます。
工程表の節目と、協力会社の入れ替わりが重なる場所を先に印を付けておくと、書き直しを忘れません。
まとめ
安全宣言の例文は、探すと毎年似た文になります。「私は+いつ+何を確かめて+どうする」の型に、自分の持ち場の作業を当てはめると、工事が変わるたびに違う文になります。朝礼で読む一言、現場に掲示する3項目、安全大会の宣誓文は長さも主語も違うので、紙が回ってきたらまずどれを求められているかを確かめます。
1年の流れのどこで何を書くかを先に決めておくと、必要になってから慌てずに済みます。掲示の書き直しは工程表の節目に印を置き、振り返りは週に1回、できた・できなかったの2つだけにします。数字を1つ入れておくと、守れたかどうかを巡視で見に行ける形になります。
よくある質問
安全宣言に決まった様式はありますか
安全宣言そのものを義務づけた法令の条文はありません。都道府県の労働局が「安全宣言運動」として現場責任者の宣言と掲示を案内している例があり、その運動に参加する場合は実施要領の様式が優先されます。元請から様式の指定があるときも同じです。
何文字くらいで書けばよいですか
朝礼で読む一言は40〜60字が目安です。聞いた人が同じ場面で何をするかを言えれば、その長さで足ります。掲示する宣言は3項目、大会の宣誓文は3〜5行が一般的です。
「安全第一で作業します」ではだめですか
だめではありませんが、来年もそのまま使えてしまいます。いつ・何を確かめるかまで足すと、翌日の動きが変わる文になります。判定できる形になっているかどうかが分かれ目です。
安全宣言と安全スローガンは同じものですか
役割が違います。スローガンは覚えてもらうための短い標語で、安全宣言は自分がやる行動を決めるものです。スローガンは年間を通して使い、宣言は工種が変わるたびに書き直すという使い分けが多くの現場で使われています。
書いた宣言は記録に残しますか
法令上の保存義務はありません。掲示した紙をそのまま工事の書類に綴じている現場もあります。残しておくと、繰り返し同じ宣言が出ていることに気づけます。
KY活動と別々に考えるのですか
材料はほとんど同じです。KY活動で決めた行動目標が、そのまま安全宣言の材料になります。書く場面と主語だけを合わせ直せば、二度考える必要はありません。
私の安全宣言シート(班の掲示用)
班の全員の安全宣言を1枚にまとめて、詰所や朝礼台に掲示するためのシートです。例文図書館の宣言文をコピーして貼り付けられます。登録不要です。
Excelを見る・ダウンロード