KY・危険予知例文2026.10.13 公開KY-04

電気工事のKY活動の例文|感電と墜落を防ぐ15例

目次

電気工事のKY活動は、危険が目に見えないという点で他の工種と違います。足場の穴や吊り荷は目で分かりますが、電線に電気が来ているかどうかは、検電するまで分かりません。しかも作業そのものは、脚立や天井裏など、墜落の条件がそろった場所で行われます。

この記事では、電気工事のKY活動の例文を、仮設電気・配管配線・盤の据付・結線と受電・撤去の15例に分けて並べます。あわせて、「停電作業のつもりが活線だった」が起きる流れと、例文を自分の現場の言葉に直す方法を書きます。停電作業や活線作業の手順は法令で定められています。自社の作業に何が適用されるかは、所轄の労働基準監督署に確認してください。

この記事の様式は KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)(Excel・登録不要) からそのまま使えます。

結論:電気工事のKYは「感電」と「墜落」の2本立てで考える

電気工事で起きる災害は、大きく2つに分かれます。KYの重点項目も、ほとんどがこのどちらかに入ります。

分類起きる場面
感電停電したつもりの充電部、仮設の漏電、活線近接作業、湿潤な場所
墜落・転落脚立、可搬式作業台、天井点検口、ケーブルラック上

そのうえで、電気工事に特有の事情が1つあります。作業する場所が、他職の工程に合わせて次々と変わることです。今日は天井裏、明日は外部のキュービクル、明後日は仮設盤。場所が変われば危険も変わるので、KYの作業内容の欄に「どこで」を書くことが、他の工種以上に効きます。

電気工事の危険は2本立て停電したつもり仮設の漏電活線近接湿潤な場所脚立可搬式作業台天井点検口ケーブルラック電気工事のKY
電気工事の災害は感電と墜落の2つに分かれる

電気工事のKY例文【仮設電気】

例1:仮設分電盤の設置

例文例1 仮設分電盤の設置
作業内容:仮設分電盤の設置、屋外、アース工事含む
潜む危険:接地が不十分だと、漏電時に感電する/屋外に置くので、雨水が入って絶縁が落ちる/設置場所が通路脇なので、車両に当てられる
重点項目:接地不良による感電
対策:接地抵抗を測定して記録する。盤は雨がかりを避けた位置に置き、扉は常時閉める。車両動線から離すか、ガードを設ける
行動目標:測って記録してから通電する
指差呼称:接地、測定済み、ヨシ

例2:仮設ケーブルの敷設

例文例2 仮設ケーブルの敷設
作業内容:仮設ケーブルの敷設、通路横断あり
潜む危険:通路を横断するので、台車に踏まれて被覆が破れる/被覆が破れたまま濡れると、漏電する/引っかかって転倒する
重点項目:被覆の損傷による漏電
対策:横断部は保護カバーか架空配線とする。毎朝、損傷の有無を見る。仮設は床に直置きしない
行動目標:床をはわせない
指差呼称:横断部、保護、ヨシ

例3:漏電遮断器の作動確認

例文例3 漏電遮断器の作動確認
作業内容:仮設分電盤の漏電遮断器のテスト
潜む危険:テストボタンを押さずに使い続けると、いざというときに動かない/テスト中に他の作業が停電し、機械が急停止する/盤を開けて作業するので、充電部に触れる
重点項目:充電部への接触
対策:テストは決めた曜日に行い、停電することを事前に周知する。盤を開ける作業では絶縁用保護具を使用する
行動目標:止める前に声をかける
指差呼称:周知、済み、ヨシ

電気工事のKY例文【配管・配線】

例4:天井内の配線(脚立使用)

例文例4 天井内の配線(脚立使用)
作業内容:2階東 天井内配線、脚立使用、2名
潜む危険:上向き作業で体が反るので、脚立上でバランスを崩す/天井点検口から落ちる/切粉や埃が目に入る
重点項目:脚立からの墜落
対策:脚立は開き止めをかけ、天板には立たない。2m以上になる箇所は可搬式作業台に替える。保護メガネを使用する
行動目標:天板に乗らない、届かないなら台を替える
指差呼称:開き止め、ヨシ

例5:ケーブルラック上での作業

例文例5 ケーブルラック上での作業
作業内容:ケーブルラックへのケーブル敷設、高所作業車使用
潜む危険:ラックに足を乗せると、外れて墜落する/高所作業車の旋回範囲に人が入ると、挟まれる/上から工具を落とす
重点項目:ラックへの乗り込みによる墜落
対策:ラックには乗らない。高所作業車の作業半径を明示し、地上に監視者を置く。工具は落下防止のひもを付ける
行動目標:ラックに乗らない
指差呼称:作業半径、人なし、ヨシ

例6:既設建物での配管(他職と輻輳)

例文例6 既設建物での配管(他職と輻輳)
作業内容:改修工事、既設天井内の配管、内装工事と同時進行
潜む危険:既設の配線が生きているので、誤って切断すると感電する/内装のボード張りと同じ場所で作業するので、物を落とし合う/既設の吊りボルトが腐食していて、体重をかけると落ちる
重点項目:既設配線の誤切断による感電
対策:既設配線は図面と現物を照合し、系統が分かるまで切らない。判断がつかないものは検電してから触る。作業間連絡調整で時間を分ける
行動目標:分からない線は切らない
指差呼称:検電、無電圧、ヨシ

例7:屋外の配管(雨天後)

例文例7 屋外の配管(雨天後)
作業内容:屋外配管工事、前日雨、地中埋設あり
潜む危険:地面が濡れているので、漏電時に感電しやすい/掘削部に水が溜まり、足を取られる/既設の埋設物に当たる
重点項目:湿潤な場所での感電
対策:屋外の電動工具は漏電遮断器を通し、二重絶縁のものを使う。絶縁性のある履物を使用する。埋設物は事前に試掘で確認する
行動目標:濡れた場所では工具を直接床に置かない
指差呼称:漏電遮断器、通電、ヨシ
分からない線は切らない1図面と照合系統が分かるまで切らない2検電する充電部で反応を確かめてから3無電圧を確認そのうえで触る
分からない線は切らない。触る前に検電する

電気工事のKY例文【盤の据付・結線】

例8:分電盤・制御盤の搬入据付

例文例8 分電盤・制御盤の搬入据付
作業内容:電気室への制御盤の搬入据付、4名、ハンドリフト使用
潜む危険:盤が重く重心が高いので、倒れて挟まれる/段差でリフトから落ちる/扉が開いて指を挟む
重点項目:盤の転倒による挟まれ
対策:扉を養生テープで固定してから運ぶ。段差はスロープを設ける。据付け位置に人を立たせず、2方向から支える
行動目標:倒れる側に立たない
指差呼称:扉、固定、ヨシ

例9:停電作業(高圧)

停電して行う作業では、開閉器の施錠や表示、検電、短絡接地といった手順が定められています。KYの場でも、この順番を全員で言葉にしておきます。

例文例9 停電作業(高圧)
作業内容:受変電設備の点検、停電作業、責任者1名
潜む危険:他の人が誤って投入すると、通電して感電する/停電したと思い込んで検電を省くと、充電部に触れる/コンデンサに電荷が残っていて、放電時に感電する
重点項目:誤投入・検電省略による感電
対策:開閉器を施錠し「作業中・投入禁止」の表示をする。鍵は作業責任者が持つ。検電と短絡接地を行ってから作業に入る
行動目標:検電しない限り触らない
指差呼称:検電器、動作確認、ヨシ

例10:低圧の結線作業

例文例10 低圧の結線作業
作業内容:分電盤内の結線、低圧、停電手配済み
潜む危険:同じ盤内に別系統が生きていて、そこに触れると感電する/工具が充電部に触れて短絡し、アークで火傷する/狭い盤内で無理な体勢になる
重点項目:同一盤内の別系統への接触
対策:生きている系統を絶縁シートで隔離する。絶縁被覆のある工具を使う。作業前に盤内の系統を全員で確認する
行動目標:触る前に、その盤の生きている系統を言う
指差呼称:隔離、絶縁シート、ヨシ

例11:仮設からの切り替え

例文例11 仮設からの切り替え
作業内容:本設受電に伴う仮設電源の切り替え
潜む危険:切り替え時に他職の機械が急停止し、二次災害が起きる/仮設と本設が同時に生きる時間帯ができる/連絡が行き渡らず、作業中の人がいる
重点項目:周知不足による二次災害
対策:切替時刻を前日に全職へ周知する。当日は作業を止めてから切り替える。切替後に各所を巡回して確認する
行動目標:全員が止まってから切り替える
指差呼称:周知、全職、ヨシ
停電作業で省いてはいけない順番1. 開閉器を切る施錠して表示を出す2. 鍵を持つ作業責任者が保持する3. 検電する自分で確かめる4. 短絡接地残留電荷を放電する
停電作業で省いてはいけない順番
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KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)

朝のKYで、危険のポイント・重点・対策・行動目標を1枚に書くためのKY活動表です。例文図書館の例文をコピーして、そのまま貼り付けて使えます。登録不要です。

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電気工事のKY例文【受電・試験・撤去】

例12:受電後の試験(充電中)

例文例12 受電後の試験(充電中)
作業内容:受電後の絶縁・動作試験、充電部あり
潜む危険:充電中の場所に他職が入ってくる/試験のために一時的に扉を開けるので、接触の危険が生まれる/測定器のリード線が充電部に接触する
重点項目:充電中の区画への立入り
対策:区画を立入禁止にし、表示と監視者を置く。扉を開ける時間を最小にする。リード線は測定前に絶縁状態を確認する
行動目標:開けている間は監視者が離れない
指差呼称:立入禁止、表示、ヨシ

例13:照明器具の取付け

例文例13 照明器具の取付け
作業内容:天井照明器具の取付け、可搬式作業台、2名
潜む危険:器具が重く両手がふさがるので、バランスを崩す/取付け途中で手を離すと落下する/電源が来ている状態で結線すると感電する
重点項目:器具の落下と、上を向いた状態での墜落
対策:器具は2人で持ち、仮吊りしてから結線する。ブレーカーを切り、検電してから結線する。作業台の手すりは外さない
行動目標:仮吊りしてから手を離す
指差呼称:仮吊り、ヨシ

例14:仮設電気の撤去

例文例14 仮設電気の撤去
作業内容:仮設分電盤・ケーブルの撤去
潜む危険:撤去する系統がまだ使われていて、他職の作業が止まる/切り離す前に電源が生きていて感電する/ケーブルを引くときに、上部の固定が外れて落ちてくる
重点項目:生きている系統の誤撤去
対策:撤去する系統を1本ずつ検電してから切り離す。撤去予定を前日に周知する。上部の固定を先に外し、投げ落とさない
行動目標:1本ずつ検電してから切る
指差呼称:検電、無電圧、ヨシ

例15:1人作業になる日

例文例15 1人作業になる日
作業内容:軽微な手直し、作業員1名、他職の作業終了後
潜む危険:1人なので、感電しても発見が遅れる/脚立から落ちても誰も気づかない/急いで終わらせようとして手順を飛ばす
重点項目:1人作業での発見の遅れ
対策:作業開始と終了を必ず連絡する。充電部に触れる作業は1人で行わない。終了予定時刻を決め、過ぎたら連絡が入る形にする
行動目標:充電部の作業は1人でやらない
指差呼称:連絡、開始、ヨシ

「停電したつもり」が起きる流れ

電気工事の感電災害で繰り返し出てくるのが、停電したと思っていたが実は生きていたという形です。起きる流れは決まっています。

段階起きること
1別の人が開閉器を切った、と聞いた
2自分では検電していない
3同じ盤の別系統、または別の経路から電気が来ていた
4触れて感電する

この流れを止められる場所は、2の検電だけです。1は伝聞、3は図面と現物のずれで起きるので、現場で防ぎきれません。だからKYの行動目標は「検電しない限り触らない」という形が最も効きます。

「停電したつもり」が起きる流れ1聞いた別の人が切った、と伝聞2検電しないここだけが止められる場所3別系統が生きていた図面と現物がずれている4感電する触れた瞬間に起きる
「停電したつもり」が起きる4つの段階

指差呼称も、「停電、ヨシ」ではなく「検電器、動作確認、ヨシ」にすると、検電器そのものが壊れている場合も拾えます。

例文を自分の現場の言葉に直す借り物のまま検電してから触るどの盤の、どの系統か2か所を足す電気室の動力盤2の◯◯回路を◯◯が検電する場所と系統が入ると迷わない
例文を自分の現場の言葉に直す2か所

よくある質問

電気工事のKYでも、危険は3〜5項目でよいですか

はい。中身のある3項目のほうが、薄い5項目より役に立ちます。ただし、感電と墜落は条件が違うので、その日の作業にどちらも含まれる場合は両方から1つずつ挙げておくと漏れません。

活線作業をすることになりました。KYで何を決めますか

まず、活線でなければできない作業なのかを確認するのが先です。停電できるなら停電します。やむを得ず活線で行う場合は、絶縁用保護具・絶縁用防具の使用と、作業指揮者、立入禁止の範囲を決めます。要求される内容は法令で定められているため、事前に確認してください。

検電器はいつ動作確認しますか

使う直前です。充電部で反応することを確認してから、無電圧を確認するという順番にすると、検電器の故障を拾えます。現場によっては検電器チェッカーを用意しています。

脚立での作業が多く、KYが毎回同じになります

脚立そのものではなく、その日の作業姿勢と場所を書くと変わります。上向きか、狭所か、片手がふさがるか、下に他職がいるか。条件が違えば危険の出方も違います。

1人作業を避けられない場合はどうしますか

充電部に触れる作業は1人で行わない、という線を先に引くのが現実的です。そのうえで、開始と終了の連絡、終了予定時刻の設定、定時連絡のいずれかを入れておくと、発見の遅れを短くできます。

まとめ

電気工事のKY活動は、感電と墜落の2本立てで考えると整理できます。感電は見えないので、KYの行動目標を「検電しない限り触らない」という形にしておくのが最も効きます。指差呼称を「検電器、動作確認、ヨシ」にすると、検電器の故障まで拾えます。

15の例文は下敷きです。電気工事は作業場所が日ごとに変わるため、作業内容の欄に「どこで・どの系統で」を書くことが、他の工種以上に効きます。対策の欄に「誰が・いつまでに」を足せば、朝の時点で分担が決まります。

点検表テンプレート
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KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)

朝のKYで、危険のポイント・重点・対策・行動目標を1枚に書くためのKY活動表です。例文図書館の例文をコピーして、そのまま貼り付けて使えます。登録不要です。

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