安全パトロールのコメント例文|指摘と講評46例
目次
安全パトロールのコメントの例文を、そのまま写して使える形で46例並べたページです。指摘のコメント、良かった点をほめる講評、最後の総評、是正をお願いする文、是正報告への返しの一言まで、パトロールの最初から最後までに書く・話す文をそろえました。
並べ方は、まず指摘のコメントを危険の種類ごとに10の場面で分けています。墜落・開口部、足場、整理整頓と通路、資材の置き方、保護具、重機と立入禁止、電気と仮設電源、火気と消火器、第三者・公衆災害、熱中症です。そのあとに講評と総評、是正の依頼と返しの一言を置き、最後に元請の巡視・社内パトロール・安全衛生委員会の職場巡視で言い回しが変わるところを分けて書きます。
安全パトロールのコメント例文は「どこで・何が・なぜ・どうしてほしいか・いつまでに」で書く
安全パトロールのコメントは、書く人によって長さも中身もばらばらになりがちです。「整理整頓が悪い」「保護具不備」のような一言だけのコメントも、現場ではよく見かけます。短く書くのは悪いことではありません。ただ、言われた側が「どこの何を、いつまでに直せばよいか」が分からないと、是正が遅れたり、別の場所を直してしまったりします。
そこで、このページの例文はすべて次の5つの順番で書いています。
| 順番 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 1 | どこで | 3階東側の階段室まわり |
| 2 | 何が | 開口部の手すりが1か所外れたまま |
| 3 | なぜ危ないか | 通りかかった人が落ちるおそれがある |
| 4 | どうしてほしいか | 手すりを戻すか、合板でふさいで表示する |
| 5 | いつまでに | 本日の作業開始前まで |
もう1つ大事なのは、人を責める言い方にしないことです。「誰がやったのか」「何度言えば分かるのか」と書くと、言われた側は次から指摘を隠すようになります。パトロールの目的は、危ない状態を見つけて直すことです。事実と理由と頼みごとだけを書けば、相手も受け取りやすくなります。
安全パトロールの指摘コメント例文【墜落・足場・通路・資材】
墜落と転倒は、パトロールの指摘でいちばん多く出る場面です。例文の場所と数字は架空なので、自分の現場の階・方角・寸法に置き換えて使ってください。
墜落・開口部の指摘コメント
開口部は「ふさいであったものが、いつの間にか外れている」形が多い場面です。誰が外したかではなく、今ふさがっていない事実を書きます。
通りかかった人が足を踏み外し、下の階へ落ちるおそれがあります。
合板を戻して固定し、「開口部あり」の表示をお願いします。
本日の作業開始前までに対応し、写真で報告してください。
端の近くで墨出しをしている人がいるので、後ずさりしたときに落ちるおそれがあります。
手すりを付けるまでの間は、端から離れた位置にバリケードを置いてください。
本日中に手すりの設置をお願いします。
移動中は手がふさがり、足を滑らせたときに体を支えられません。
親綱の位置を確認し、移動の前にフックを掛けるよう、職長から声かけをお願いします。
明日の朝礼で全員に伝え、伝えたことを報告してください。
足場の指摘コメント
足場は、資材の出し入れのために手すりや中さん(手すりの下の横棒)を外し、戻し忘れる形がよく出ます。
搬入はすでに終わっているので、この区間は手すり無しの状態で人が通っています。
すぐに手すりと中さんを元に戻してください。
外すときは、外している間だけ立入禁止の表示を出す決まりを、改めて確認をお願いします。
足を取られて転ぶおそれがあり、工具や部材が下へ落ちるおそれもあります。
板を詰めて並べ直し、ずれないように固定してください。
明日の作業開始前までに対応をお願いします。
足場の床が狭くなって通れない区間があり、重さで足場に負担がかかるおそれもあります。
その日に使う分だけを上げ、残りは地上の置き場に戻してください。
本日の作業終了までに片付けをお願いします。
整理整頓・通路の指摘コメント
整理整頓は指摘の言葉が抽象的になりやすい場面です。「どこに何があって通れないか」まで書くと、直す側が迷いません。
台車がすれ違えず、作業員が材料をまたいで通っていました。
材料は所定の置き場に移し、通路の白線の内側に物を置かないようお願いします。
本日の昼休みまでに対応をお願いします。
つまずいて転ぶおそれがあり、端材の釘で足を踏み抜くおそれもあります。
端材は分別して袋に入れ、コードは壁際に寄せてまとめてください。
本日の作業終了時の片付けで対応をお願いします。
階段は避難の通り道でもあるため、物があると逃げるときに転ぶおそれがあります。
階段と踊り場には物を置かず、使う階の置き場に移してください。
すぐに対応をお願いします。
資材の置き方の指摘コメント
資材の置き方は、崩れる・倒れる・飛ぶの3つで考えると理由が書きやすくなります。
崩れると、近くを通る人の足や体に当たるおそれがあります。
高さを下げて積み直し、崩れ止めの歯止めを入れてください。
本日中に対応をお願いします。
人や台車が当たると倒れ、下敷きになるおそれがあります。
平置きにするか、ロープで壁側に固定してください。
本日の作業終了までに対応をお願いします。
強い風で飛ばされると、敷地の外へ落ちて通行人に当たるおそれがあります。
重しを載せるかロープで縛り、作業後は屋内に入れてください。
本日の作業終了までに対応し、強風の予報が出た日は朝に確認をお願いします。
安全パトロール 指摘事項記録表(是正確認つき)
安全パトロールで見つけた指摘と、是正の依頼・期限・確認までを1枚で残す記録表です。例文図書館のコメント例文をコピーして貼り付けられます。登録不要です。
Excelを見る・ダウンロード安全パトロールの指摘コメント例文【保護具・重機・電気・火気】
この4つは、ルールが決まっている分、指摘が「違反の指摘」になりやすい場面です。決まりを守らせる言い方より、なぜ必要かを1行足すほうが、次から守られやすくなります。
保護具の指摘コメント
転んだときや物が当たったときに、保護帽が脱げて頭を守れません。
あごひもを締めるよう、その場で声をかけました。
職長からも、明日の朝礼で全員に伝えてください。
コンクリートの破片や粉じんが目に入るおそれがあります。
作業を再開する前に、保護メガネと防じんマスクを付けてください。
保護具の予備が足りなければ、本日中に補充をお願いします。
回転部に軍手が巻き込まれ、手を引き込まれるおそれがあります。
回転工具を使う作業での手袋の使い方を、職長から確認してください。
明日の作業開始前までに、作業手順書の記載と合わせて報告をお願いします。
重機と立入禁止の指摘コメント
運転席から見えない位置に入ると、旋回したときに挟まれるおそれがあります。
旋回範囲をコーンとバーで囲い、合図者を決めてから作業を続けてください。
囲いはすぐに設置をお願いします。
表示が無いと、他の職種の人が知らずに吊り荷の下を通るおそれがあります。
看板とバーを立て直し、風で倒れないよう重しを付けてください。
本日の吊り作業を始める前に対応をお願いします。
後ろは運転席から見えないため、通りかかった人をひくおそれがあります。
後退するときは誘導員を付けるよう、搬入の段取りを見直してください。
明日以降の搬入予定と誘導員の配置を、本日中に教えてください。
電気・仮設電源の指摘コメント
触れたり濡れたりすると、感電するおそれがあります。
このコードはすぐに使用をやめ、交換してください。
ほかのコードも同じ状態がないか、本日中に点検をお願いします。
盤の中が濡れると、漏電や感電のおそれがあります。
使い終わったら扉を閉め、鍵をかけるようお願いします。
すぐに対応し、盤の管理者を表示してください。
電気の作業そのものの危険は、電気工事のKY例文に工程ごとに並べています。
火気・消火器の指摘コメント
火花が落ちると燃え移り、火災になるおそれがあります。
燃えやすい物を移すか、不燃のシートで覆ってから作業してください。
作業の再開前に対応をお願いします。
火が出たとき、消火器を取りに行く間に燃え広がるおそれがあります。
作業場所のすぐ近くに消火器を置いてから作業を続けてください。
すぐに対応をお願いします。
資材置き場には燃えやすい梱包材が多く、火災のおそれがあります。
喫煙は決められた喫煙所だけでするよう、各社の朝礼で改めて伝えてください。
明日の朝礼で伝えたことを報告してください。
安全パトロールの指摘コメント例文【第三者・熱中症】
工事の外側にいる人と、季節で変わる危険の2つです。現場の中だけを見ていると見落としやすいので、ほかの場面と分けて置きます。
第三者・公衆災害の指摘コメント
公衆災害は、工事と関係のない通行人や近隣の人がけがをする災害です。現場の外から見た目線で書きます。
現場の中に人が入り込み、けがをするおそれがあります。
隙間をふさいで固定し、夜間も外から入れないことを確認してください。
本日中に対応をお願いします。
雨の日は滑りやすく、通行人が転ぶおそれがあります。
出入口で泥を落としてから車両を出し、歩道を清掃してください。
本日の作業終了までに清掃をお願いします。
下は人が通る歩道なので、工具や端材が落ちると通行人に当たるおそれがあります。
ネットを張り直して固定し、上で作業する人に声をかけてください。
すぐに対応をお願いします。
熱中症の指摘コメント
熱中症は、物の状態ではなく体の状態なので、指摘の書き方が少し変わります。本人を責めず、休める仕組みが足りているかを書きます。
休みに行くのがおっくうになり、水分をとらずに作業を続けるおそれがあります。
作業場所の近くに日よけのテントと飲み物を置いてください。
本日中に対応をお願いします。
寝不足や朝食抜きの人は、暑い日に熱中症になりやすくなります。
朝礼で一人ずつ体調を確認し、具合の悪い人は軽い作業に回してください。
明日の朝礼から実施をお願いします。
熱中症で倒れても、気づく人がいないおそれがあります。
暑い時間帯は二人一組にするか、決めた時間ごとに声をかけてください。
本日の午後の作業から対応をお願いします。
安全パトロールの講評・総評の例文(良かった点・最後の総評)
パトロールの最後には、講評(見て回った感想と評価)を話したり書いたりします。指摘だけで終わると、現場は「粗探しをされた」と受け取りがちです。良かった点を先に具体的に言うと、指摘も受け取ってもらいやすくなります。
良かった点をほめる講評
ほめるときも、どこの何が良かったかを具体的に言います。「全体的によくできていました」だけだと、何を続ければよいかが伝わりません。
台車がそのまま通れる状態で、とても良かったと思います。
この状態を、ほかの階でも続けてください。
外れているところが1か所もなかったのは、毎日確認している成果だと思います。
このまま続けてください。
合図と立入禁止が守られていて、安心して見ていられました。
「どこで・何が」まで書かれていたので、作業員の皆さんにも伝わっていると感じました。
KYの文の書き方は、作業ごとに並べています。足場のKY例文と型枠のKY例文を見てください。
最後の総評
総評は、パトロール全体のまとめです。良かった点、指摘の数と中身、これから気をつけてほしいことの順で話すと、1分ほどに収まります。
全体として、通路と開口部がよく管理されていて、良い状態でした。
指摘は2件で、延長コードの傷みと、消火器の置き場所です。
どちらも本日中の対応をお願いします。
これから寒くなり、火を使う作業が増えます。火の元の確認を引き続きお願いします。
本日は指摘が8件あり、そのうち5件が手すりと開口部の養生に関するものでした。
工程が詰まって、外したものを戻す時間がとれていないのだと思います。
外したら戻すまでを1つの作業として、段取りに入れてください。
是正の期限と確認の方法は、指摘記録に書いたとおりです。よろしくお願いします。
指摘は3件で、どれもすぐに直せる内容でした。
来週から気温が上がる予報です。
休憩所の飲み物と、朝礼での体調確認を、改めてお願いします。
安全パトロールの是正をお願いする文と是正報告への返しの例文
指摘をしただけでは、危ない状態は直りません。是正の依頼には、期限と確認の方法まで入れます。確認の方法が書いていないと、「直したつもり」で終わってしまうためです。
是正をお願いする文
指摘:2階北側の作業床の端に手すりが無い区間がある
お願い:手すりを設置してください。設置までは端から離してバリケードを置いてください
期限:本日の作業終了まで
確認の方法:設置後の写真を、本日中に安全担当まで送ってください
指摘:南側の仮囲いの一部に傾きがある
お願い:控えの追加と、傾いたパネルの建て直しをお願いします
期限:10月20日まで。それまでは傾いた区間の内側に立入禁止の表示を出してください
確認の方法:次回のパトロールで現地を確認します
一人ひとりの注意だけでは防ぎきれないと考えています。
手すりを外すときの手順と、戻したことを誰が確認するかを決めて、10月17日までに教えてください。
決めた手順は、次回のパトロールで一緒に確認させてください。
是正報告への返しの一言
是正の報告が来たら、短くても必ず返します。返事が無いと、報告する側は「出しても見ていない」と感じ、次から報告が遅れます。
早い対応をありがとうございました。
お手数ですが、中さんも付けたうえで、もう一度写真を送ってください。
外した人が戻すまでを確認する手順にしてくれたのは、とても良いと思います。
ほかの職種にも同じやり方を紹介させてください。
元請の巡視・社内パトロール・職場巡視でコメントの言い回しを変える
安全パトロールと一口に言っても、誰が誰に向けて行うかで、コメントの言い回しが変わります。中身の5つの順番は同じで、変わるのは主語と頼み方です。
| 種類 | 主に回る人 | コメントの相手 |
|---|---|---|
| 元請の巡視 | 元請の現場担当・所長 | 協力会社の職長 |
| 社内パトロール | 自社の安全担当・役員 | 自社の現場の責任者 |
| 職場巡視 | 産業医・衛生管理者・委員 | 事業場の管理者 |
建設現場では、元請の会社(特定元方事業者)が毎作業日に少なくとも1回、作業場所を巡視することとされています(労働安全衛生規則第637条)。工場や事務所などでは、衛生管理者は少なくとも毎週1回、作業場を巡視することとされています(同規則第11条)。産業医は少なくとも毎月1回で、条件を満たせば2か月に1回とされています(同規則第15条)。自社に何が当てはまるかは、所轄の労働基準監督署に確認してください。
元請の巡視のコメント例文
元請の巡視では、相手は別の会社の職長です。命令の口調ではなく、「お願いします」で頼み、職長から作業員へ伝えてもらう形にします。
濡れると感電のおそれがあるので、交換をお願いします。
ほかのコードも、明日の朝の点検で見ていただけると助かります。
交換したら、職長さんから一言ください。
社内パトロールのコメント例文
社内パトロールでは、相手は自社の現場の責任者です。現場の事情を聞いたうえで、会社として何を手伝えるかまで書くと、指摘だけで終わりません。
搬入の量が置き場に対して多いように見えます。
置き場を増やすか、搬入の回数を分けられないか、工事課と相談してみてください。
必要なら、本社から搬入の調整を手伝います。
安全衛生委員会の職場巡視のコメント例文
職場巡視の結果は、安全衛生委員会(労働者の安全と健康について話し合う社内の会議)で報告することが多くなります。委員会で話し合う議題になるよう、事実と提案に分けて書きます。
気づいた点:フォークリフトの通路と人の通路が同じで、線が引かれていない区間がある
考えられる危険:人がフォークリフトにひかれる、挟まれる
提案:床に線を引いて通路を分け、交差する場所に一時停止の表示を出す
委員会で話し合いたいこと:線を引く工事の時期と、それまでの間の決まり
気づいた点:窓際の席は夕方に日差しが強く、画面が見えにくいと何人かから声があった
考えられる影響:目の疲れや肩こりにつながる
提案:ブラインドの位置と、画面の向きの見直し
よくある質問
安全パトロールのコメントはどのくらいの長さで書けばよいですか
このページの例文は、1つの指摘を4行前後で書いています。「どこで・何が」「なぜ危ないか」「どうしてほしいか」「いつまでに」が1行ずつ入れば十分です。記録の欄が狭い様式なら、「なぜ危ないか」を短くして、場所と期限は必ず残してください。
同じ指摘が何度も出るときは、どう書けばよいですか
回数を書いたうえで、個人の注意ではなく手順を見直してもらう形にします。上の「是正の依頼(繰り返し出ている指摘)」の例文のように、誰が確認するかを決めてもらい、次のパトロールで一緒に確かめると伝えると、責める言い方になりません。
良かった点が見つからない日は、講評で何を言えばよいですか
大きな良い点が無くても、「朝礼で体調確認をしていた」「合図がはっきりしていた」など、小さな行動を1つ選んで具体的に言います。それも難しい日は、指摘への協力に対するお礼から始めると、総評が指摘だけになりません。
コメントに法令の条文を書いたほうがよいですか
条文を書くと根拠ははっきりしますが、読み手には伝わりにくくなります。コメントでは「なぜ危ないか」を自分の言葉で書き、法令の確認が必要なときは、元請の安全担当や所轄の労働基準監督署に確認するのが確実です。
安全朝礼で話す一言と、パトロールのコメントはどう違いますか
パトロールのコメントは、見つけた危ない状態を直してもらうための文です。朝礼の一言は、その日の作業の前に注意を向けてもらうための話です。朝礼で話すネタは安全朝礼のネタに1分で話せる形で並べています。パトロールで多かった指摘を、翌朝の朝礼の一言に使うのも1つのやり方です。
まとめ
安全パトロールのコメントの例文を、指摘・講評・総評・是正の依頼・返しの一言の順に並べました。
- 指摘のコメントは「どこで・何が・なぜ危ないか・どうしてほしいか・いつまでに」の順で書く
- 人を責めず、事実と理由と頼みごとだけを書く
- 講評は良かった点を具体的に先に言い、総評は良かった点・指摘・これからの注意の順でまとめる
- 是正の依頼には期限と確認の方法まで入れ、報告が来たら短くても必ず返す
- 元請の巡視・社内パトロール・職場巡視では、中身の順番は同じで、相手と頼み方だけを変える
パトロールの進め方そのものは、現場図書館の「安全パトロールの進め方」で扱っています。例文は場所と数字を自分の現場に置き換えて、そのまま写して使ってください。
安全パトロール 指摘事項記録表(是正確認つき)
安全パトロールで見つけた指摘と、是正の依頼・期限・確認までを1枚で残す記録表です。例文図書館のコメント例文をコピーして貼り付けられます。登録不要です。
Excelを見る・ダウンロード