KY・危険予知例文2026.10.13 公開KY-05

クレーン作業の危険予知の例文|玉掛け・合図18例

目次

クレーン作業の危険予知の例文を、移動式クレーンの据付けから玉掛け、合図、地切り、荷下ろし、工場の天井クレーンまで、場面ごとに18例そろえたページです。どの例文も「作業内容・危険のポイント・対策・行動目標・指差呼称」の5行で書いてあり、ボタン1つでコピーして、KYシートにそのまま写せます。

並べ方は、作業の流れの順です。据付け、玉掛け、合図と吊り上げ、天候と周りの条件、荷下ろしと天井クレーンの5つの棚に分けました。各例文の前に「どんな日に使うか」、後に「自分の現場に合わせて直すところ」を1〜2行で添えています。玉掛けのKY例文だけを探している方は、玉掛けの棚から読んでください。クレーンの作業はクレーン等安全規則で細かく決められています。自社の作業に何が当てはまるかは、所轄の労働基準監督署か元請の安全担当に確認してください。

この記事の様式は KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)(Excel・登録不要) からそのまま使えます。

結論:クレーン作業の危険予知は「倒れる・落ちる・はさまる」の3つで考える

クレーン作業の災害は、場面が違っても大きく3つの型に分かれます。KY(危険予知)の重点項目も、ほとんどがこのどれかに入ります。

型起きる場面例文の棚
倒れる軟らかい地盤、アウトリガーの張り出し不足、定格荷重の超過、強風据付け・天候
落ちる玉掛けの外れ、ワイヤの切断、吊り荷の下への立入り玉掛け・合図
はさまる・当たる旋回する車体との間、荷下ろしの手元、介錯中の荷の振れ合図・荷下ろし

もう1つ、クレーン作業には特有の事情があります。運転する人・玉掛けする人・合図する人が別の人で、3人の思い込みがずれると事故になることです。運転者は「合図が出たから巻いた」、玉掛け者は「まだ手を離していなかった」。どちらも自分の役割は果たしているつもりです。

そのため、クレーン作業のKYでは「誰が・何を見て・どの合図で動くか」を朝のうちにそろえることが、他の作業以上に効きます。足場や電気工事のKYとの違いはここです。足場のKYは足場のKY例文で、感電の危険は電気工事のKY例文で扱っています。

クレーン作業の危険は3つの型型起きる場面例文の棚倒れる地盤・張り出し不足・強風据付け・天候落ちる玉掛けの外れ・吊り荷の下玉掛け・合図はさまる旋回・荷下ろしの手元合図・荷下ろし
クレーン作業の危険は3つの型に分かれる

クレーン作業の危険予知の例文【据付け】

移動式クレーン(トラッククレーンやラフテレーンクレーンなど、自分で走って現場に来るクレーン)は、据え付けた場所の地盤で安全が決まります。

クレーン等安全規則では、転倒のおそれがある場所での移動式クレーンの作業を禁じています。地盤が軟らかい場所や、埋設物が壊れるおそれがある場所などです。ただし、転倒を防ぐのに必要な広さと強さの鉄板などを敷き、その上に据えた場合は別です。アウトリガー(車体の横に張り出して支える脚)は、敷いた鉄板の上で転倒しない位置に置くこと、原則として最大まで張り出すことも定められています。

例1:地盤と敷板の確認

雨の翌日や、埋め戻したばかりの場所に据える日に使います。

例文移動式クレーンの据付け(地盤・敷板)
作業内容:25トンラフテレーンクレーンの据付け、搬入口前、前日に雨
危険のポイント:埋め戻した地盤が雨で緩んでいるので、アウトリガーが沈んでクレーンが倒れる
対策:据付け位置を職長と運転者で見て、鉄板を敷き、その上に敷板を置いてからアウトリガーを出す
行動目標:地盤を見てから脚を出す。ヨシ!
指差呼称:敷板、鉄板の上、ヨシ!

直すところは「作業内容」の機種と場所、天候です。埋設管がある現場なら、危険のポイントに「埋設管の上に脚を置いて管を壊す」を足します。

例2:アウトリガーの張り出し

道路の幅が狭く、アウトリガーを最大まで出せないかもしれない日に使います。

例文アウトリガーの張り出し(狭い場所)
作業内容:前面道路での据付け、片側車線規制、アウトリガー張り出し
危険のポイント:張り出しが足りないまま吊るので、定格荷重を超えてクレーンが倒れる
対策:最大まで張り出す。出せない場合は、その張り出し幅の定格荷重を運転者が確かめ、荷の重さと比べてから吊る
行動目標:張り出し幅に合った荷重表で吊る。ヨシ!
指差呼称:アウトリガー、最大張り出し、ヨシ!

荷の重さは「たぶん」で書かないでください。図面や送り状で重さを確かめ、作業内容の欄に数字で書くと、朝の打合せで荷重表と比べられます。

例3:旋回範囲の立入禁止

クレーンの周りで他の職種が作業している日、資材置き場がクレーンのすぐ横にある日に使います。

例文旋回範囲の立入禁止
作業内容:移動式クレーンでの鉄骨の荷揚げ、周りで型枠の作業が同時進行
危険のポイント:旋回する車体の後ろ側に人が入るので、車体と資材の間にはさまれる
対策:旋回範囲をカラーコーンとバーで囲い、立入禁止の表示を出す。囲いの中に資材を置かない
行動目標:旋回範囲には入らない、入れない。ヨシ!
指差呼称:旋回範囲、立入禁止、ヨシ!

クレーン等安全規則では、移動式クレーンの上部旋回体(車体の上で回る部分)に接触する危険がある箇所への立入りを禁止することが定められています。囲いの範囲は、車体の後ろの振れ幅まで含めて決めます。

クレーン作業の危険予知の例文【玉掛け】

玉掛け(ワイヤロープなどで荷をクレーンのフックに掛けること)のKY例文です。玉掛けの例文は、吊る荷の形で中身が変わります。鉄骨、型枠の束、機械、袋物と、その日に吊る荷を作業内容の欄に書いてください。

玉掛け用具は、その日の作業を始める前に、ワイヤロープなどの異常の有無を点検することが定められています。素線の切れ、径の細り、キンク(ねじれて折れ癖がついた状態)、形くずれや腐食があるワイヤロープは使えません。

例4:ワイヤロープの選定と始業前点検

例文玉掛け用具の選定と始業前点検
作業内容:H形鋼の荷揚げ、玉掛け2名、ワイヤロープ2本吊り
危険のポイント:荷の重さに合わないワイヤを選ぶので、吊っている途中で切れて荷が落ちる。素線の切れやキンクを見落とす
対策:荷の重さを確かめてからワイヤを選ぶ。使う前に全長を手袋の手でなでて、素線の切れ・キンク・形くずれを見る。異常があれば使わずに外へ出す
行動目標:重さを確かめ、ワイヤを見てから掛ける。ヨシ!
指差呼称:ワイヤ、異常なし、ヨシ!

点検で外したワイヤは、その場で「使用禁止」の札を付けて別の場所へ置きます。同じ箱に戻すと、翌朝ほかの人が使ってしまいます。

例5:つり角度

長い荷を2本吊りで吊るときに使います。

例文玉掛けのつり角度
作業内容:鋼管(長さ6メートル)の荷揚げ、2本吊り、玉掛け2名
危険のポイント:ワイヤが短くてつり角度が大きくなるので、ワイヤにかかる力が増えて切れる。荷が傾いて抜け落ちる
対策:荷の長さに合った長さのワイヤを選び、つり角度を小さく保つ。吊り点は重心をはさんで左右の同じ距離にとる
行動目標:ワイヤは長めを選び、角度を開かない。ヨシ!
指差呼称:つり角度、ヨシ!

つり角度が大きくなるほど、同じ荷でも1本のワイヤにかかる力は大きくなります。自社で目安の角度を決めているなら、対策の欄にその数字を入れてください。

例6:介錯ロープの取付け

長い荷、風を受けやすい板状の荷を吊る日に使います。

例文介錯ロープの取付け
作業内容:デッキプレートの束の荷揚げ、介錯ロープ1本、介錯者1名
危険のポイント:荷が回って振れるので、手で押さえようとして荷とクレーンの間にはさまれる。振れた荷が人に当たる
対策:荷の端に介錯ロープを付け、荷に手を触れずにロープで向きを直す。介錯者は荷の真下に入らない
行動目標:荷は手で押さえず、ロープで操る。ヨシ!
指差呼称:介錯ロープ、ヨシ!

介錯ロープ(荷の向きを地上から直すためのロープ)を持つ人も、荷の下に入りやすい立場です。立ち位置を例文の対策に書いておくと、朝の時点で決まります。

例7:一点吊りと外れ止め

小物や袋物を急いで吊りたい日、ついワイヤ1本で済ませたくなる場面で使います。

例文一点吊りをしない・外れ止めを使う
作業内容:資材(アンカーボルトの箱)の荷揚げ、玉掛け1名
危険のポイント:1か所だけに掛けて吊るので、荷が傾いて抜け落ちる。フックの外れ止めを使わないと、ワイヤがフックから外れる
対策:荷はもっこか専用の箱に入れ、2点以上で吊る。フックの外れ止めを使う
行動目標:小物でも一点吊りをしない。ヨシ!
指差呼称:外れ止め、ヨシ!

移動式クレーンで荷を吊るときは、外れ止め装置を使うことが定められています。外れ止めが壊れているフックは、その日の作業前に運転者へ伝えてください。

地切りから巻上げまで1地切り少し浮かせて止める2見る傾き・張り・フック3直す直すなら一度下ろす4巻上げ合図者の合図で上げる
地切りから巻上げまでの止まる順番

クレーン作業の危険予知の例文【合図と吊り上げ】

クレーン等安全規則では、クレーンの運転について一定の合図を定め、合図を行う者を指名することが定められています。運転者が1人だけで作業する場合は別です。指名された人が合図を出し、作業する人はその合図に従います。

例8:合図者の指名と合図の統一

例文合図者の指名と合図の統一
作業内容:移動式クレーンでの荷揚げ、合図者1名(佐藤)、玉掛け2名、運転者1名
危険のポイント:合図を出す人が2人いるので、運転者がどちらに従うか迷って巻き上げる。手の合図と無線の言葉が人によって違う
対策:合図者は佐藤1名とし、朝礼で全員に伝える。合図は手の形と無線の言葉を、作業前に運転者と合図者で1回ずつ確かめる
行動目標:合図は1人、合図の形は1つ。ヨシ!
指差呼称:合図者、佐藤、ヨシ!

合図者の名前は例文のままにせず、実際の人の名前を入れてください。名前を書くと、その人が休んだ日に「今日は誰が出すか」を朝のうちに決め直せます。

例9:運転者から見えない場所での合図

荷を下ろす場所が建物の陰や上の階で、運転者から直接見えない日に使います。

例文死角での合図(無線の中継)
作業内容:3階床への資材の荷下ろし、運転者から荷下ろし位置が見えない
危険のポイント:運転者が荷を見ないまま動かすので、荷が手すりや人に当たる。合図が届かないまま巻き下げる
対策:荷下ろし位置に合図者を置き、無線で運転者へ伝える。無線が切れたら、運転者はすぐに止める
行動目標:声が届かなければ止める。ヨシ!
指差呼称:無線、通話よし、ヨシ!

無線を使う日は、作業の前に通話の試験を1回入れます。電池の残りも朝のうちに確かめておくと、途中で切れることを防げます。

例10:地切りと一旦停止

クレーン作業のKY例文で、いちばん使う場面です。毎日の定番として使えます。

例文地切りと一旦停止
作業内容:鉄骨柱の荷揚げ、2本吊り、地切り後に一旦停止
危険のポイント:地切りしてすぐに巻き上げるので、荷の傾きや玉掛けのずれに気づかず、上で荷が抜け落ちる
対策:荷が地面から少し離れたところで一旦止め、荷の傾き、ワイヤの張り、フックの位置を見る。直すときは一度下ろしてから直す
行動目標:地切りしたら止めて見る。ヨシ!
指差呼称:地切り、一旦停止、ヨシ!

止めたときに見る点は、人によってばらつきます。「傾き・ワイヤの張り・フックの位置」のように、見る点を3つほどに決めておくと、毎回同じように見られます。

例11:吊り荷の下に入らない

例文吊り荷の下への立入禁止
作業内容:型枠材の束の荷揚げ、周りで鉄筋の作業が同時進行
危険のポイント:吊り荷が頭の上を通るので、荷が落ちたときに下の人に当たる。荷を受けようとして下に入る
対策:吊り荷の通り道を決めて、下を立入禁止にする。合図者は通り道に人がいないことを見てから合図を出す
行動目標:吊り荷の下に入らない、通さない。ヨシ!
指差呼称:吊り荷の下、人なし、ヨシ!

クレーン等安全規則では、決められた吊り方のときに荷の下への立入りを禁止することが定められています。ハッカーやつりクランプ1個で掛けた荷、1か所だけに掛けた荷、固定していない複数の荷などです。自分の現場がどれに当たるかに関係なく、荷の下には入らないと決めておくのが簡単です。

例12:荷を吊ったまま運転席を離れない

例文運転者は荷を吊ったまま離れない
作業内容:移動式クレーンでの荷揚げ、荷受け側の準備待ちが発生
危険のポイント:荷を吊ったまま運転者が席を離れるので、荷が動いても止められない。待っている間に荷の下を人が通る
対策:荷受けの準備ができていなければ、荷を一度地面に下ろして待つ。運転者は荷を吊ったまま運転席を離れない
行動目標:待つときは下ろして待つ。ヨシ!
指差呼称:荷、着地、ヨシ!

運転者が荷を吊ったまま運転位置を離れないことも、規則で定められています。荷受けの段取りの遅れが、この危険を生みます。荷受けの準備を先に終えるよう、作業の順番を決めておくのが近道です。

点検表テンプレート
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KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)

朝のKYで、危険のポイント・重点・対策・行動目標を1枚に書くためのKY活動表です。例文図書館の例文をコピーして、そのまま貼り付けて使えます。登録不要です。

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クレーン作業の危険予知の例文【天候と周りの条件】

例13:強風のときの中止の判断

風の予報がある日、板状の荷や長い荷を吊る日に使います。

例文強風のときの作業中止
作業内容:外壁パネルの荷揚げ、午後から風が強まる予報
危険のポイント:パネルが風を受けるので、吊り荷が回って人や建物に当たる。風でクレーンが倒れる
対策:中止する風の強さを作業前に職長と運転者で決め、全員に伝える。風速計を見る人を決め、決めた強さを超えたら作業を止めて荷を下ろす
行動目標:決めた風になったら止める。迷ったら止める。ヨシ!
指差呼称:風速、確認、ヨシ!

クレーン等安全規則では、強風のためクレーンの作業に危険が予想されるときは、作業を中止しなければならないとされています。移動式クレーンも同じです。中止した場合に移動式クレーンが倒れるおそれがあるときは、ジブ(腕の部分)の位置を固定するなど、転倒を防ぐ措置も求められています。何メートルで止めるかは、元請の決まりや機械のメーカーの資料を見て、例文の対策の欄に数字で書き足してください。

例14:架空電線への接近

道路沿いや、敷地の上を電線が通っている現場で使います。

例文架空電線への接近
作業内容:前面道路から移動式クレーンで資材の荷揚げ、敷地の上に架空電線あり
危険のポイント:ジブや吊り荷が電線に近づくので、電気が流れて玉掛け者や介錯者が感電する
対策:電線の位置と高さを作業前に全員で確かめ、近づかない旋回の範囲を決める。電線を管理する会社に相談し、防護管などの措置をとる。作業中は監視人を置く
行動目標:電線の下ではジブを上げない。ヨシ!
指差呼称:電線、離隔よし、ヨシ!

労働安全衛生規則では、架空電線に近い場所で移動式クレーンなどを使うときの措置が定められています。感電の危険があるときは、電線の移設、囲い、絶縁用防護具の装着のどれかをとります。それが難しいときは監視人を置きます。離す距離は電線の電圧で変わるため、電線を管理する電力会社などに確かめてください。

例15:雨・視界の悪い日

例文雨の日のクレーン作業
作業内容:雨天での資材の荷揚げ、視界がやや悪い
危険のポイント:雨で合図の手が見えにくいので、合図を見間違えて巻き上げる。ワイヤや荷がすべって玉掛けがずれる
対策:合図は手の合図に無線を加える。地切りの一旦停止で玉掛けのずれを必ず見る。足元がぬかるむ場所は敷板を足す
行動目標:見えにくい日は声で確かめる。ヨシ!
指差呼称:合図、声で確認、ヨシ!

雨の日は、地盤の緩みも同時に起きます。据付けの例1と組み合わせて使ってください。

クレーン作業の危険予知の例文【荷下ろしと天井クレーン】

荷を下ろす場面と、工場の天井クレーンの例文です。荷下ろしは「最後の数十センチ」で手がはさまれやすい場面です。

例16:荷下ろしと手のはさまれ

例文荷下ろしと手のはさまれ
作業内容:鉄骨梁の荷下ろし、枕木の上へ、玉掛け2名
危険のポイント:荷を下ろす位置を手で直すので、荷と枕木の間に手をはさまれる。下ろしたあと荷が転がる
対策:枕木を先に置き、荷はその上に静かに下ろす。位置を直すときは介錯ロープか棒を使い、手を荷の下に入れない。転がる荷は歯止めをしてから玉外しをする
行動目標:下ろす荷の下に手を入れない。ヨシ!
指差呼称:枕木、歯止め、ヨシ!

玉外し(荷を下ろしたあとにワイヤを外すこと)のときに、ワイヤを巻き上げで引き抜くと、ワイヤが跳ねたり荷が倒れたりします。手で外せる状態になってから外す、と例文に足しておくと安全です。

例17:天井クレーン(工場・床上操作)

工場で天井クレーンをペンダントスイッチ(床から操作するための押しボタン)で動かす日に使います。

例文天井クレーンでの荷の移動(工場)
作業内容:工場内で天井クレーンを使い、製品を加工機から置き場へ移動、操作と玉掛けを1名で行う
危険のポイント:ペンダントを押しながら荷についていくので、足元の部材につまずいて転ぶ。荷が振れて他の作業者や機械に当たる
対策:移動の通り道を先に片付けて、人がいないことを見てから動かす。荷の後ろではなく横を歩き、振れたら止めて待つ
行動目標:通り道を見てから押す。ヨシ!
指差呼称:通路、人なし、ヨシ!

天井クレーンを動かすのに要る資格や教育は、つり上げ荷重や操作の方法で変わります。自分の工場の機械に何が要るかは、社内の安全担当に確かめてください。

例18:天井クレーンの始業前点検

例文天井クレーンの始業前点検
作業内容:始業前の天井クレーンの点検、点検者1名
危険のポイント:巻過ぎを止める装置やブレーキが効かないまま使うので、フックが上がりすぎて荷が落ちる。ペンダントのボタンが戻らず止まらない
対策:作業前に、巻過ぎ防止の装置、ブレーキ、ペンダントの各ボタンの動きを確かめる。異常があれば使わず、使用禁止の札を掛けて報告する
行動目標:動きを確かめてから荷を掛ける。ヨシ!
指差呼称:ブレーキ、巻過ぎ防止、ヨシ!

移動式クレーンでも、その日の作業前に、巻過ぎ防止の装置や過負荷の警報装置、ブレーキ、クラッチ、コントローラーの機能を点検することが定められています。点検の項目は機械によって違うため、メーカーの取扱説明書と社内の点検表に合わせて書き直してください。

例文を直すのは2か所直す欄足すもの作業内容機種・荷と重さ・人数・天候対策誰が・何を見て・どの合図で
例文を自分の現場の言葉に直す2か所

クレーン作業のKY例文を自分の現場の言葉に直す

18例は下敷きです。そのまま写すと、翌日から同じ紙が並びます。直すのは2か所だけです。

直す欄足すもの
作業内容クレーンの機種、荷の名前と重さ、吊り方、人数、天候
対策誰が、何を見て、どの合図で動くか

たとえば、対策の欄は次のように直します。

例文直したあとの対策(例)
対策:合図者は佐藤1名。地切りしたら佐藤が止めの合図を出し、山田と鈴木で傾きとワイヤの張りを見る。よければ佐藤が巻上げの合図を出す

「誰が」が入ると、朝の時点で分担が決まります。入っていないと、当日に誰も動きません。クレーン作業は運転者・玉掛け者・合図者が分かれているので、なおさらです。

KYの進め方そのもの(4ラウンド法の流れや、KYシートの欄の書き方)は、次の記事で扱っています。現場図書館のKY用紙の書き方です。

よくある質問

毎日同じクレーン作業でも、毎日KYをやる必要がありますか

法令でKYの回数が決められているわけではありません。ただ、荷・天候・周りで作業する人は毎日変わるため、毎日行っている現場が大半です。同じ作業が続くときは、その日に変わった条件を1つ書くだけで中身が変わります。

玉掛けのKY例文と、クレーン作業のKY例文は分けて書くべきですか

1枚のKYシートにまとめて書く現場が多いです。運転者と玉掛け者が同じ紙を見ることで、合図や地切りの止め方がそろうためです。玉掛けの例文(例4から例7)と合図の例文(例8から例12)を組み合わせて使ってください。

強風で作業を止める風速は何メートルですか

クレーン等安全規則では「強風のため危険が予想されるときは中止」とされており、この記事では数字を挙げていません。何メートルで止めるかは、元請の決まりや機械のメーカーの資料で確かめてください。決めた数字を例文13の対策に書き足すと、当日に迷いません。

屋外のクレーンで、強い風が吹いたあとに気をつけることはありますか

クレーン等安全規則では、屋外のクレーンで瞬間風速が毎秒30メートルを超える風が吹いたあとの決まりがあります。作業するときは、作業の前にクレーンの各部分に異常がないか点検することが定められています。中震以上の地震のあとも同じです。

玉掛けのワイヤロープは、どうなったら使えませんか

クレーン等安全規則では、玉掛けに使えないワイヤロープが4つ決められています。ワイヤロープ1よりの間で素線の数の10パーセント以上が切れているもの。直径の減り方が公称径の7パーセントを超えるもの。キンクしたもの。著しい形くずれや腐食があるものです。迷うワイヤは使わずに外へ出す、と例文4の対策に入れておくと判断が速くなります。

まとめ

クレーン作業の危険予知は、「倒れる・落ちる・はさまる」の3つの型で考えると、重点項目が決めやすくなります。倒れるは据付けと天候、落ちるは玉掛けと吊り荷の下、はさまるは旋回と荷下ろしの場面で起きます。

18の例文は、据付け、玉掛け、合図と吊り上げ、天候と周りの条件、荷下ろしと天井クレーンの順に並べました。そのまま写して使えますが、作業内容に機種・荷・重さ・天候を、対策に「誰が・何を見て・どの合図で動くか」を足すと、自分の現場の分担になります。

いちばん効くのは、毎日の定番の例10「地切りと一旦停止」です。止めて見る点を決め、合図者を1人に決めれば、運転者・玉掛け者・合図者の思い込みのずれを朝のうちに減らせます。

点検表テンプレート
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KY活動表(危険予知活動表・4ラウンド法)

朝のKYで、危険のポイント・重点・対策・行動目標を1枚に書くためのKY活動表です。例文図書館の例文をコピーして、そのまま貼り付けて使えます。登録不要です。

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